東京五輪をはるかにしのぐ、北京冬季五輪には最新ハイテクが「超山盛り」状態

Record China    2022年2月12日(土) 5時40分

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各国の選手が熱い戦いを繰り広げている北京冬季五輪は、スポーツの祭典であるだけでなく最新ハイテクの祭典の色彩も濃厚だ。写真は遠隔の会場を結ぶ、自動スマート運転の高速鉄道車両。

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各国選手が熱い戦いを繰り広げている北京冬季五輪だが、大会を支えるために技術者や企業人も熱い戦いを繰り広げてきた。今大会の開催に当たっては最先端IT技術の最大限の活用に始まり、大会が重視した「低炭素」の実現、さらには感染症対策に至るまで、ありとあらゆる技術がつぎ込まれることになった。中国では「外国人には信じられないかもしれないが、北京冬季五輪に投入された技術の水準は2021年開催の東京五輪をはるかにしのぐ」との声も出ている。

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■世界初、「時速350キロで突進するスタジオ」から5Gライブ中継

「北京冬季ハイテク五輪」のシンボルの一つが、自動スマート運転の高速列車だ。北京冬季五輪の大会会場は三つのゾーンからなる。ノルディックスキーなど、北京市市街地から遠く離れた河北省の張家口ゾーンで開催される種目もある。三つのゾーンを結んで選手や大会関係者、メディア関係者を運ぶのが、大会用に特別改造した高速鉄道車両の「復興号」だ。

大会専用「復興号」は、全行程174キロを約1時間で結ぶ。密な日程で組まれている試合の合間を縫って関係者が長距離移動する際の利便性が大幅に向上した。

北京冬季五輪大会専用「復興号」

この「復興号」には、5G超高精細放送ライブスタジオが搭載されている。時速350キロで移動する高速鉄道列車内からの超高精細信号の長時間安定伝送を実現したのは世界初という。北京と張家口間の路線は山岳地帯を通過する関係で高低差があり、通過するトンネルも13本ある。中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が持つ高い技術力がなければ、安定した通信を確保することは極めて困難だったとされる。

既存の技術だけで高速列車との5G通信が実現したわけではない。技術スタッフはチベットのチョモランマ(エベレスト)の標高5000メートル以上の環境で1年間に渡り実験を繰り返し、各種の極端な環境にあっても安定した5G通信を確保することに成功したという。

ファーウェイは高速鉄道関連だけでなく、北京冬季五輪の通信保障プロジェクトのネットワーク建設を受注するなどで、北京冬季五輪の開催に当たり技術サポートを全面的に提供している。その他の重要な施策としては、北京聯通と共同で先進的で信頼性の高いギガ光ネットワークを構築したなどもあり、北京冬季五輪大会における「安全、デジタル、スマート、グリーン、ハイテク」を実現するために大きく貢献したと評価されている。

■「無人技術」は感染症対策にも奏功、環境面にも十二分に配慮

高度な技術の投入は、迫力ある映像を世界に届け、しかも費用を削減することにも結び付いた。例えば、従来型の手法では、4K放送対応の中継車両を用意するために1台当たり8000万元(約1億5000万円)の費用がかかってしまうという。しかし今回の北京冬季五輪では、周囲360度の撮影が可能な無人カメラを多数投入し、VR技術を応用して映像を組み合わせることで最適な映像を作ることに成功した。放送関連ではそれ以外にも、聴覚障害者向けにAI技術で合成された手話キャスターが登場した。

調理ロボット

自動化技術の応用としては、無人レストランも設けられた。調理や給仕のために約120台のロボットが、24時間体制で稼働している。着席していれば注文の品は室内天井にあるガイドレールを伝って届られる。行列する必要もないし、店側スタッフと客の接触がないことで感染リスクも大幅に低減できる。

室内天井にあるガイドレール

競技会場では、消毒剤噴霧などの感染症対策、警備、物品の運搬、情報伝達、翻訳、さらには手話サービスなどを兼任するロボット数百台が活躍している。また選手や大会関係者には、親指の指先程度の平たい体温計を皮膚に貼ることで、検温の手間をかけずに体温をリアルタイムで測定している。

環境関連では、スケート競技の会場で氷を作る際にでた熱を利用するなどで、炭素排出量を900トン分削減した。電力量の削減は年間200万キロワット時の計算で、しかも今回の五輪会場で使用される電力は、すべて再生可能エネルギーによる。

中国はすでに、IT技術の応用などで世界の先頭を進む国の一つだ。その中国が総力を挙げて新技術を投入したことで、今回の北京冬季五輪はスポーツの祭典、平和の祭典であるだけでなく、最先端ハイテクの祭典の色彩も濃厚になった。(翻訳・編集/如月隼人

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