文在寅（ムン・ジェイン）大統領が旧正月に合わせ、箱に独島（竹島の韓国名）の絵が描かれた贈り物を駐韓日本大使館に贈っていたことが分かった。1月23日、韓国・京郷新聞が報じた。

記事によると統領府は18日、駐韓外交使節をはじめ、新型コロナウイルスへの対応に献身する医療陣や貧困家庭などに、金浦のムンベ酒や光陽の梅エキス、聞慶の五味子エキス、扶余の栗が含まれる特産物の詰め合わせを贈った。しかしその箱に独島の絵が描かれていたことから、駐韓日本大使館はこれに抗議し、受け取りを拒否したという。

日本側の抗議に対し、大統領府は「現在のところ特にコメントはない」としているが、韓国外交部は「独島は歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土」という政府の公式な立場を再度主張しているとのこと。

記事は、「韓国内では、独島が韓国の領土であることを強調する意味が含まれるとして大統領府を擁護する人が多いが、独島が韓国の領土という事実とは別に、『独島の絵が描かれたものを、日本政府を代表する駐韓日本大使館に贈るのは適切ではない』という声も上がっている」と報道。

また、「今回の件はむしろ日本の得になるという指摘もある」とし、「韓国政府は『独島に関する紛争は存在しない』という立場を堅持しているが、日本は独島が日韓の領土紛争地域であることを国際的に広く認識させるため、ことあるごとに提起している。2021年11月に米国で日米韓外交次官会議の後、日本側が金昌龍（キム・チャンリョン）警察庁長官の独島訪問を理由に共同記者会見をボイコットしたのが代表的な例。今回の件は、独島を紛争地域化しようとする日本の立場を助ける形になりかねない」と伝えている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「韓国の大統領が韓国の島が描かれたものを贈って何が問題なの？」「韓国が日本を挑発したのではなく、日本の挑発に戦略的に応えただけ」「勝手に政治的に解釈して受け取りを拒否した日本が悪い」「よくやってくれた。挑発されて『遺憾』とだけ言ってるよりはずっと痛快」「大統領の任期中で一番の功績だと思う」など、大統領府を支持する声が寄せられている。

しかし一方では、「独島が韓国の領土なのは事実だけど、政治的に利用しようとする文大統領はみみっちい。日本が受け取っても受け取らなくても問題になるのは分かり切ってるはず」「もっと早くやればいいのに。わざと選挙の前にやって反日感情をあおってるんでしょ」「こんな幼稚なショーにだまされてはいけない」「わざわざ税金を使って、こんなことをしても無駄」など、批判的なコメントも多く見られた。（翻訳・編集/丸山）