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中国はいかにして「世界の橋梁大国」になったのか―建設の第一人者が苦労話を交えて紹介

中国新聞社    2022年1月21日(金) 18時50分

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中国はすでに、世界の「橋梁(きょうりょう)大国」だ。橋梁建設の第一人者である徐恭義氏は、苦労話を交えながら、中国における橋づくりの“進化”を語った。写真は趙州橋。

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中国では長い歴史を通じて多くの橋梁(きょうりょう)が架設されてきた。そして近代的な橋梁建設では出遅れたが、現在はすでに世界の「橋梁大国」であり、同時に「橋梁強国」だ。大型架橋建設を手掛ける代表的な中国企業の中鉄大橋勘測設計院で技術分野の副責任者を務める徐恭義氏はこのほど、中国メディアの中国新聞社の取材に応じて、現在に至るまでの中国における橋梁建設の歴史を紹介した。以下は、徐氏の言葉に若干の説明内容を追加するなどで再構成したものだ。

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■中国に歴史的な橋は多いが、近代の橋の架設は「本質的」に異なっていた

中国における橋梁建設の歴史は長い。河北省にある趙州橋は隋代だった西暦605年に完成した、中国に現存する最古の石造アーチ橋だ。西洋で同様の橋が架けられたのは、趙州橋の完成から約700年後だった。現代的な橋梁構造のうちの何種類かは、中国の歴史的な橋に、その原型を見ることができる。

しかしながら、現在の橋は機能、素材、構造のどれをとっても、歴史的な橋とは本質的に異なる。欧米では工業革命により鉄やセメント、さらには鉄筋コンクリートなどの素材が出現したことも関係して、現代的橋梁の技術が進歩した。

また、現代において橋は、人が通行するだけでなく、列車や自動車などの重量物が高速で通過しても安定しており、安全が保たれねばならない。施工技術も大きく変化し、また計算理論や設計の手法もレベルが大幅に向上した。

■清代からの夢「長江を越える橋」の建設に成功

長江をまたぐ橋梁を架設し、中国を南北に縦断する鉄道を貫通させることは、中国人にとって長年の夢であり、清朝期には3回、中華民国期には2回にわたり架橋の提案があった。しかし政府の財政や戦乱、さらには技術力の問題があり、いずれも棚上げとなった。

武漢長江大橋

湖北省武漢で、長江を越える初めての橋梁建設計画が本格化したのは、中華人民共和国成立翌年の1950年だった。現地調査や設計を担当したチームが中央政府に設計案を提出したのは3年後だった。中央政府は、中国に大型橋梁建設の経験がなかったことから、設計図をソ連に持参して審査を受けるように要求した。一方で、ソ連側も専門家チームを武漢に派遣した。ソ連の専門家は武漢で技術指導を行い、中国側専門家と議論も行った。

そのような経緯により、橋の設計図は完成した。最終的な設計は、中国人側が行った。この、長江を越える初めての武漢長江大橋が開通したのは57年9月25日だった。1階部分は鉄道用で、2階部分は自動車道路の、長さ1670メートルの橋だ。この橋は中国の南北をつなぐ大動脈の一部になり、中国の経済建設に大いに貢献した。

長江を越える3本目の橋になった南京長江大橋は、地質などの関係で、求められる技術レベルが高かった。当初はソ連の支援を受ける計画だったが、ソ連との関係が悪化したため、中国は自力で建設を進めることになった。外国の専門家は、中国が南京で長江大橋を独力で建設することは不可能と断言していた。しかし中国は架橋を成功させた。この橋が完成した1968年は、中国が独自に超大型橋梁を建設した、新たな紀元となった。

南京長江大橋

■それでもなお、欧米に学ぶことは多い

中国の橋梁建設技術は急速に進歩した。たとえば200年ごろには橋脚と橋脚の間のスパンを400メートルに伸ばすことが可能であるかどうか疑問視する人が極めて多かった。しかし現在ではスパンが1000メートルを超える橋も珍しくなくなった。

中国では大スパンつり橋、斜張橋、アーチ橋、高速鉄道橋梁などさまざまな橋が建設されてきたが、橋の規模、数が多さ、スパンの長さ、積載可能重量の大きさ、建設期間の短縮などで、いずれも世界をリードしている。2020年の国際橋梁大会(IBC)では、中国が建設した橋梁が六つの大賞を受賞した。このことは、中国が橋梁建設についての理念や技術、設備、素材、補修維持の理念、計測と検査技術のいずれでも長足の進歩を遂げ、そのことを世界が認めたことを物語っている。

とはいえ、「中国が欧米などから学ぶことはなくなった」というわけではない。欧米などでは中国より半世紀早く、大型の橋梁建設が始まった。その結果、老朽化した橋や現在の交通ニーズを満たせなくなった橋も多く出現している。

そのため、欧米では橋梁の補修、補強、輸送能力の増強、解体、再建などが盛んに行われている。そして、新たな技術が投入され、実践によって中国に先行して経験が蓄積されつつある。中国は今後も、橋梁関連について欧米などから学び、参考にしていくことになる。(構成 / 如月隼人

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