2021年12月22日、米華字メディア・多維新聞は、米国の専門家らが米国政府に対して核兵器の削減を要求したことについて、中国外交部の報道官が称賛したと報じた。

記事は、米紙ニューヨーク・タイムズの16日付報道として、ノーベル賞受賞者21人、米国科学アカデミー、全米技術アカデミー会員88人を含むおよそ700人の科学者やエンジニアがバイデン大統領宛てに連名の公開状を出し、米国の核兵器を3分の1削減して、核弾頭数を1000発未満とすること、そして米国が率先して核兵器を使用しないことを宣言するよう求めたと伝えた。

その上で、中国外交部の趙立堅（ジャオ・リージエン）報道官が22日、「わが国は関連報道に留意している。これらの科学者、エンジニアの積極的な建議は、彼らの世界の平和や安全に対する責任の表れであり、中国政府として称賛する」とコメントしたことを伝えた。

また、趙報道官が「もし米国政府がこの建議を採用して、米国の安全保障政策における核兵器の作用を低減させたなら、核による衝突のリスク低減、核軍備競争の防止、世界の戦略的安定維持に寄与することになる」と語るとともに、バイデン大統領が大統領選期間中、当選したら国の安全保障政策における核兵器の作用を低減させ、核兵器の唯一の目的が核攻撃の抑止あるいは報復であることを宣言すると述べたとし、「米国政府がこの約束を切に実現することを望む」と述べたことを紹介している。

記事は、米国とロシアが今年2月に調印した「新戦略兵器削減条約」に基づき、先日それぞれの各兵力規模について発表したと紹介。米国側のデータによれば、今年9月現在で米国の核兵器庫には3750発の核弾頭があり、そのうち1389発は大陸間弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル、重爆撃機に配備されていると伝えた。また、米国側の説明として、2017年9月30日以降に711発の核弾頭を解体し、さらに約2000発の核弾頭がすでに退役して廃棄待ちの状態にあるとした。（翻訳・編集/川尻）