2021年11月26日、中国メディアの新京報は、かつて中国で「最も美しい指名手配犯」として注目された元受刑者の女性が詐欺被害撲滅キャンペーンビデオに登場して再び世間の注目を浴びていると報じた。

四川省綿陽市に住む女性、卿晨璟靓（チンチェン・ジンジン）さんは、2018年に客をだまして「ぼったくりバー」に引き込む「酒托」の疑いで指名手配され、20歳未満だったこと、容姿端麗であること、名字が珍しいことから「最も美しい指名手配犯」などと注目を集めた。その後、自首して逮捕、起訴され有罪判決を受け、昨年11月に1年2カ月の刑期を満了して刑務所を出所、現在はミルクティー店を経営しているという。

記事によると、卿晨さんが当時有罪判決を受ける前、新京報の取材に対して友人の誘いに乗って犯罪に加担したことを「非常に悔いている」と語り、「皆さんが私に更生のチャンスを与えてくれるのなら、将来はネット有名人になりたい」との希望を口にしていたという。

先日、卿晨さんが警察による詐欺被害撲滅キャンペーンビデオの撮影に参加したことが報じられ、再び世間の注目を集めるようになった。本人は「出所後も詐欺に加担させようと企図する人がいた。詐欺グループによる被害を撲滅するために、自ら進んで警察の詐欺撲滅ビデオへの参加を申し出た。皆さんには私をかがみとして、正しい価値観を持ってほしい」と語った。

記事は、卿晨さんの行動についてネットユーザーから「犯罪撲滅の大きな宣伝になる」と肯定的な見方が出る一方で、「見た目こそ正義」との誤った価値観を導くのではないかとの声も見られると紹介。ビデオを制作したとされる綿陽市公安局が「分局が計画したもの。女性の前歴を考えると世論の議論を巻き起こす可能性があり、次の宣伝行動は一時保留している」とコメントしたことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）