大連市の日本テーマ施設が営業停止、中国では「都市の閉じこもり現象」との批判も

Record China    2021年9月5日(日) 10時0分

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遼寧省大連市で開業したばかりの「小京都 商業街」が営業を停止させられたことについて、ネットでは当局側の対応を実質的に批判する声も出ている。写真は「小京都 商業街」の様子。

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遼寧省大連市で8月21日に正式開業した、日本の街並みを模した「小京都 商業街」が地元政府の指示により9月1日に営業を停止した。ネットで批判が殺到したためとみられている。しかし一方で、日本風の街並みを受け入れられないのは、都市としての「閉じこもり」だとする批判も出ている。

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中国メディアである毎日経済新聞の3日付記事によると、「小京都 商業街」のプロジェクトは「唐朝全盛期の小さな“京都”」を示す施設の一部だった。中国でも日本の「京都」の地名は広く知られているが、中国語の「京都」は「都(みやこ)である街」を意味する普通名詞としても使われている。

大連市人民政府は2019年に発表した広報目的の文章で「唐代の建築と日本の建築の雰囲気が融合した古い街」を出現させると説明。さらに、日本の業者を誘致して、「中国人客に純粋な日本式の営業を体験させ、日中の商品取引や両国の文化交流のプラットフォームを樹立する」などとも紹介した。

「小京都 商業街」についてはその後、「日本の業者しか入居させない」、「日本の商品しか販売を認められない」などとのうわさが発生した。地元当局関係者は、うわさは事実でないと否定した。また、日本製の商品しか売られていないことはなく、実際に中国人業者が多く入居しているとして、「実際に来て確認してほしい」と8月30日付で報じたメディアもあったという。

しかし「小京都 商業街」について、ネットにはさまざまな批判の書き込みが寄せられた。「国の恥を忘れるな、歴史を銘記せよ! 文化の浸透に断固反対!」などの意見も見られたという。中国では、日本が清朝最後の皇帝の愛新覚羅溥儀をかついで1932年に満洲国を成立させたことが、歴史上の大きな「国の恥」の一つとされている。また、「小京都 商業街」が設けられた大連市は、満洲国でもとりわけ重要な港湾都市だった。

しかし、中国の主要SNSである微信(ウィーチャット)で紹介された、張3豊との署名による論説文は、日本風の街並みを受け入れられないのは、都市としての「閉じこもり」が反映されたといった批判を展開した。日本が中国を侵略し、中国人を殺した歴史があったとしても、現在は「2021年であって1921年ではない」と指摘。さらに、歴史問題はすでに解決済みとして「もし、日本の雰囲気をボイコットするなら、終始一貫せねばならない。1980年代に日本企業を誘致すべきでなかったことになる」と論じ、当時は「日本資本」がよいイメージを伴う言葉だったと振り返った。

また、自分自身の考えとして、「大連に日本の雰囲気がある街がつくられることは、完全によい事だ」と主張。「投資したのは中国企業。店員も中国人。客も中国人。税収も中国の税務署に支払われる」と指摘した。

論説文はさらに、21世紀になってからの大連は、かつてほど輝いていないと指摘。「その原因はさまざま」とした上で、「過去(20世紀末までの状況)を土台に開放をさらに進めずに、徐々に『封鎖』に向かったこと」が主たる原因の一つと主張。

論説文は最後の部分で、都市が「閉じこもり」になるとは、「自己循環という無限ループに陥ることになることであり、閉鎖的になるほど創造性と活力が乏しくなる。そして各種の騒音の影響を受けやすくなる。包容力と理解力に欠けるために、どのような音も『驚愕の雷鳴』に聞こえる。これは恐らく、多くの都市に共通する病だろう」と主張した。(翻訳・編集/如月隼人

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