Record China 2021年8月8日(日) 18時10分
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7日に行われた東京五輪のアーティスティックスイミング・チームの演技で、日本の選手が着用した水着を見て、中国人が驚いた。ネットでは「それってありか?」といった疑問、さらには批判の声も駆け巡った。
日本の演技のテーマは「祭り」だった。祭りとはそもそも、神を称え、神に感謝を示す儀式だ。しかし日本人の間では厳粛な儀式の場面は別として、神と人が「喜びを共有する」との考えも定着した。例えば秋祭りでは、人々が神に豊作を感謝すると同時に喜びを爆発させる。つまり「祭」の文字には高揚したイメージが付きまとう。
中国人が驚いたのは、日本チームの水着の腰部分に描かれていた、この「祭」の文字だった。「祭」の文字は、早くは中国の殷代(紀元前17世紀頃-同1046年)の甲骨文にも見られ、清めた肉などを神に捧げることを意味した。つまり神に崇拝の意を示し加護を求める儀式を表す文字だった。
しかし中国で「祭」の文字の意味は変化し、「人を弔う」ことをあらわすようになった。現代に生きる中国人が「祭」の文字がある服を見れば、ある種の「恐怖感」を感じてしまうことは避けがたい。
アーティスティックスイミングで、日本の女子選手は皆、満面の笑みを浮かべて演技した。しかし演技を眺める中国人は、腰部分に大きく書かれた「祭」の文字が気になってしまい、見れば見るほど気味悪く感じてしまった。照明の関係で、色彩豊かな水着と対照的に選手らの肌の色が白っぽく見えたことも「不気味感」を増大させてしまった。
日本人選手の水中での演技の画像をネット投稿した中国人もいたが、「不気味感」がさらに強調された画像が目立った。「あの世のものだ」「この世のものですべてをやってくれないか」「彼女らの美学が分からない」といった書き込みも寄せられた。
中国人の間では、今回の東京五輪の開会式のショーについても、不満の声が強く出た。日本で創出された前衛芸術として世界的に評価が高い「舞踏」の要素を取り込んだ演出だったが、中国人からは「陰気な雰囲気、白黒の色彩配置、散発的な人の配置」「芸術は観客に送られるもので、観客を(あの世に)送り出すものではない」といったコメントが多く寄せられた。
日本のメディアは開会式について、「成功した。芸術的雰囲気に満ちており、自らの奥深い文化を反映させた」というように評価していたが、中国人を納得させることはできなかったようだ。
中国のネットでは、東京五輪の開会式やアーティスティックスイミングの水着などがきっかけで「文化の違い」についての熱い議論が生まれた。「美的感覚の違いはあったとしても、他国の文化と精神も尊重すべきだ。共存してこそ、多元的な発展ができる」と、五輪に関連する日本側の演出は異文化圏に属する観客の感覚を考慮しなかったとの批判も寄せられた。
一方で、文化の違いは大きな問題ではなく、純粋に「美しさ」の観点から見ても、日本チームがアーティスティックスイミングで用いた水着は、「見ていられなかった。他国のものと比べて著しく劣った」との意見を披露した人もいる。
改めて「祭」の文字について考えれば、同じ漢字であっても、文化の背景により受け止められ方は大きく違うということを痛感させられたことになる。(翻訳・編集/如月隼人)
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