中国の五輪選手団の男子割合が3割に低下、メダル重視でバランス失調—中国メディア

Record China    2021年7月26日(月) 7時30分

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中国の五輪選手団では、男子選手の割合が低下する現象が続いている。東京五輪では、男子選手の割合が31%にまで低下した。

中国の情報サイト騰訊網はこのほど、中国の東京五輪選手団では、男子選手の割合が31%にまで低下したと紹介する記事を掲載した。原因は、男子と比べて好成績を収めやすい女子の優遇があり、結果として男子スポーツの実力が低下したとの見方を示した。

中国は2008年の北京五輪大会に639人の選手を送り込み、男女の人数に大きな違いはなかった。12年のロンドン大会に出場した中国人選手は396人で、女子が男子よりも54人多かった。16年のリオデジャネイロ大会で中国の女子選手は256人で、選手全体の61%を占めた。男女の人数差は96人にまで拡大した。

21年開催の東京五輪では、出場した中国選手は合計431人。うち女子選手は298人、男子選手は133人で、男子の比率は31%にまで低下した。なお、北京五輪で男女選手の差に大きな違いがなかったことには、本来ならば五輪出場のために「予選突破」が必要な種目でも、開催国であったために無条件で出場できたことも関係しているという。

記事は現象面の特徴として、五輪に出場するための予選がある種目で中国の女子選手は五輪出場を果たしたが、男子選手は出場権を逃した種目が多い事を挙げた。団体競技として代表的なのはサッカーバスケットボール、バレーボール、水球、ホッケー、ビーチバレー、7人制ラグビーなどだ。その他にも、中国の男子選手が五輪本番に進出できなかった種目は多い。

中国の選手団では、成績を見ても「女性上位」の傾向がみられる。04年のアテネ大会で、男子選手が獲得した金メダルは12個、女子は19個、男女混合種目は1個だった。08年の北京大会では男子が24個で女子が27個(女子重量挙げのメダル3個は、その後取り消し)。12年のロンドン大会では男子が17個、女子が20個、混合種目が1個だった。16年のリオ大会では男子選手が12個で、女子選手が14個だった。

記事は、五輪の出場者数でも、成績面でも女子が優勢である背景には、男子の競技の方が女子よりも競争が激烈であることがあると指摘。この背景に、中国の「とにかく金メダルを多く獲得する」という“戦略”が加わった。したがって、選手の育成について「女子に資源を集中させる」現象が発生した。記事によれば、さらにその結果として、男子種目ではアジアにおける競争力も低下し始めた。代表的な例は、サッカー、バスケットボール、バレーボールで中国の男子チームが東京五輪への出場を果たせなかったことという。

記事は、中国の五輪選手団で女子が優勢な状況を「陰盛陽衰」と表現。この問題については、時間をかけて解決されることを期待するしかないとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人

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