Record China 2014年5月10日(土) 10時24分
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7日、中国の大手インターネット企業アリババがついに米株式市場上場に向けての最初の一歩を踏み出した。米株式市場への上場申請を提出、関連書類で細かい財務データを初めて明らかにした。資料写真。
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2014年5月8日、北京晨報によると、中国の大手インターネット企業アリババがついに米株式市場上場に向けての最初の一歩を踏み出した。7日に米株式市場への上場申請を提出、関連書類で細かい財務データを初めて明らかにした。
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申請書類によると、アリババの資金調達予定額はわずか10億ドル(約1000億円)。業界関係者は、これは申請時の数字に過ぎず、実際の調達額は150億ドル(約1兆5000億円)から250億ドル(約2兆5000億円)に達する見通しで、世界のインターネット関連株としては最大の融資規模となるとの見方を示している。ただしアリババは、ニューヨーク証券取引所とナスダックのどちらに上場するのかは明らかにしておらず、ティッカーシンボル(銘柄コード)も決まっていないという。
▼アマゾンやグーグルを上回る利益率
アリババの利益率は他の追随を許さない。申請書類によると、アリババの利用者数は2013年通年で2億3100万人、傘下にある3つのショッピングサイトでの取引総額は約2480億ドル(約25兆2400億円)と、アマゾン(約1100億ドル、11兆1800億円)の2倍以上、フィンランドのGNPに相当する。このデータをもとに算出すると、利用者1人あたりの年間購入額は約6700元(約10万9500円)に達する。
同社の財務報告書によると、2013年第2四半期から第4四半期まで(4月から12月)の経常利益は207億3800万元(約3390億円)、営業利益率は約51.2%。純利益は177億4200万元(約2900億円)、純利益率は43.8%。昨年第4四半期(10月から12月)だけでも、アリババの利益増加額は前年同期比104%増の82億7000万元(約1350億円)。純利益率はアマゾン、eBay、さらにはグーグルをも凌いでいる。また、モバイル端末業務についても、アリババは業界予測をはるかに上回る業績を叩き出した。財務報告によると、2013年第4四半期、アリババ傘下のモバイルショッピングサイトによる取引額は同社取引総額の約20%を占め、その割合は前年同期比(7.4%)を大きく上回った。
ベテランのメディア関係者によると、アリババの内部取引価格は一株あたり62ドル(約6300円)という。この価格をもとに計算した場合、アリババの内部取引総額は1818億ドル(約18兆5000億円)に達し、グーグルに続く世界で2番目のIT企業となる。6日取引終了時点でのグーグルの時価総額は約3585億ドル(約36兆5000億円)、アマゾンは約1368億ドル(約13兆9000億円)、フェイスブックは約1502億ドル(約15兆3000億円)。百度の時価総額は約552億ドル(約5兆6000億円)、香港株式市場に上場したテンセントは約1150億ドル(約11兆7000億円)。
▼「調達資金額10億ドル」をめぐる憶測
業界ではこれまで、アリババの調達資金額は150億ドルから250億ドルと見られていた。このため、7日に報じられた調達資金額10億ドルというニュースはただちに業界の注目の的となった。これについて、業界は「米国監督管理機関に提出した書類の中に示されたこの数字は、登録費用に相当するのではないか」との見方を示している。またアリババも、発行株式数や発行価格に関して詳細を公表していない。とはいえ、アリババのやり方は業界内にさまざまな憶測を呼んだ。
中国の宝くじ情報販売サイト「500彩票網」の潘正明(パン・ジョンミン)CFO(最高財務責任者)は、「今回のアリババの挙動の背後には、最終決定価格や発行株式数などについて、投資銀行との合意に至っていないという事情がうかがわれる。現在公表されているのは信憑性に欠けた数字であり、これによって、外部はアリババの本当の時価を憶測しづらくなっている」と指摘した。
実のところ、アリババ上場によって業界が受ける影響は小さくはない。中国シンクタンク「易観智庫」の王小星(ワン・シャオシン)アナリストはこれについて、次の通り述べた。
まず、アリババは、米ヤフーが保有しているアリババ株の半分を買い戻すことでヤフー側と合意に達していることから、2015年12月までにIPOを実現させなければならない。次に、京東商城が今年初めに上場することを発表したことも、アリババにとって大打撃となった。アリババとテンセントという二大ネットショッピング巨頭による移動端末業務をめぐる争いは激化の一途をたどっている。アリババはここ数年、微博(ウェイボー)、高徳地図、UC、在路上、快的打車、友盟、卓大師などに対する一連の投資を行っている。これらの資金投入はいずれも、自分たちの移動端末における弱点を補うことが目的だ。このように、膠着した段階を経て自社に及び得るマイナス要因から競争に悪影響が及ぶことを回避するために、アリババは移動端末競争で一定の成果を上げるのを見届ける前に、時機を見計って上場を実現させる必要があった。
アリババのジャック・マー(馬雲)会長兼CEOは従業員に宛てた内部通達書において、「上場申請資料を公表すれば、弊社にはさまざまな評価が飛んで来るに違いない。株式市場上場が我々の最終的な目的ではない。上場は自分たちの使命を実現するための重要措置かつ手段であり、さらに前に進むための給油ステーションだ」と明言している。
▼決定権掌握の維持を目指す馬氏の狙い通りに
上場後もアリババの決定権を維持するため、香港で共同経営者制度の導入を認められなかった馬氏は、ターゲットを米国株式市場に転じ、狙い通りに発言権をしっかりと掌握した。
上場申請に伴う提出資料によると、アリババの持株率は日本ソフトバンクが34.4%で、筆頭株主となっている。ヤフーは22.6%、馬氏は8.9%と、個人株主としては最大。アリババ共同創始者の蔡崇信(ジョー・ツァイ)副会長は3.6%。アリババとソフトバンクは、アリババのIPO実施後、ソフトバンクが1人の議決権行使者を理事構成メンバーとして出すことで合意している。だが、馬氏と蔡副会長と同意が得られておらず、アリババ共同経営者が指名する理事への交代は今のところ不可能だ。
アリババの「共同経営者」制度によると、馬氏と蔡副会長を含む共同経営者28人は、多数の理事会構成員の指名権を保有している。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)
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