反日デモから考察する、中国のナショナリズム沸騰の5つの理由―政治評論家

Record China    2014年4月23日(水) 6時51分

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21日、中国の学術思想サイト・共識網は、2002年に中国の一方的な反日姿勢を批判する「対日新思考」を掲げて話題を呼んだ、元人民日報評論員で政治評論家の馬立誠氏の寄稿文を掲載した。写真は12年9月、中国で起きた反日デモ。

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2014年4月21日、中国の学術思想サイト・共識網は、2002年に中国の一方的な反日姿勢を批判する「対日新思考」を掲げて話題を呼んだ、元人民日報評論員で政治評論家の馬立誠(マー・リーチョン)氏の寄稿文を掲載した。

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われわれが考え直さなければならないのは、近年、中国でナショナリズムが勢いを増していることだ。2012年8月、85都市で行われた反日デモの破壊行為はやりすぎであり、国際的なイメージも悪化した。先ごろ、40カ国に駐在する中国大使がそれぞれの国のメディアに日本批判の文章を寄稿したが、「子どものけんかのようだ」と欧州諸国から笑われた。中国のテレビ局も300本もの抗日ドラマを放映した。これは恨みの種をまく行為ではないのか?

冷戦終結後、中国のナショナリズムは段階的に高まってきた。これは社会内部の問題と外交問題が相互に重なり合ったことによるものだ。その原因は、大きく言えば、次の五つだ。一つ目は中国社会の求心力が80年代末から急激に失われたこと。二つ目は市場経済体制導入後に伝統的なイデオロギーが衰えたこと。三つ目は執政の合法性に絶えず疑いが向けられ、こうした問題に対し、ナショナリズムによるバランス調整が必要とされたこと。四つ目はかつて経験した屈辱と今日のおごりが理性によってろ過されず粗野な行動を引き起こしていること。そして五つ目は東アジア各国で近年、ナショナリズムが台頭し、相互に刺激し合う状態となっていること。

1989年以降、西側諸国の制裁に対する反撃として、中国国内では愛国主義すなわちナショナリズムという「資源」が大々的に動員された。「そうするのは、国民の自由や民主への要求を転移させるためだ」という人もいる。燃え上がったナショナリズムが最初に向かう先は日本だ。なぜなら日中戦争の記憶はまだ新しく、英国とのアヘン戦争の記憶は古くなっているのだから。(翻訳・編集/NY)

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