台湾が建造開始した潜水艦隊、「中国の侵攻阻止できる可能性も」と米メディア

Record China    2021年1月24日(日) 10時40分

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台湾が防衛力の強化を目指し、最新鋭の潜水艦隊の建造に着手。米メディアは「中国の侵攻を阻止できる可能性もある」と伝えた。写真は台湾金門島。

台湾が防衛力の強化を目指し、最新鋭の潜水艦隊の建造に着手した。台湾への軍事的圧力を強める中国が本土と隔てる台湾海峡を越えて侵攻してくる事態に備えるためだ。米CNNは「潜水艦は隠密性を誇る兵器プラットフォーム。中国の侵攻を阻止できる可能性もある」と伝えた。

台湾が計画している新造潜水艦8隻は現有4隻の後継。最初の艦の建造は昨年11月、南部の港湾都市・高雄の施設で開始された。同艦の試験航行は2025年に始まるとみられている。台湾の蔡英文総統は着工式で、建造計画を「台湾の強い意思を世界に示す歴史的な節目」と呼んだ。

潜水艦について、CNNは「今なお世界屈指の隠密性を誇る兵器プラットフォームで、相手がどのような艦隊であっても大打撃を与えることができる」と言及。「台湾の潜水艦にはディーゼル・エレクトリック方式が採用される見通し。水上ではディーゼルエンジンを動力源とする一方、潜航中は寿命の長いリチウムイオン電池で駆動する超静粛な電気モーターを使用するという」と報じた。

米海軍や中国が配備を進める原子力潜水艦ではなく、ディーゼル・エレクトリック艦を選んだのは、台湾政府にとって簡単な選択だった。ディーゼル・エレクトリック艦は建造がより容易で、コストも低い。潜航時の騒音も電気モーターのほうが原子炉より少ない。

専門家はこうした静かな潜水艦なら中国軍の対潜戦(ASW)部隊による探知が難しいとの見方を示す。台湾海峡の海底付近にひそみ、台湾に向かう中国の兵員輸送艦を狙い撃ちにできる可能性もある。新造艦にどんな技術が搭載されるのか正確なところはまだ不明だが、米国政府は昨年、台湾にMk48魚雷の取得を許可した。

元米海軍大佐で、現在はハワイ太平洋大学のアナリストを務めるカール・シュスター氏は「大型の兵員輸送艦に魚雷が命中した場合、特にそれが米国のMk48のような現代型の魚雷であれば、侵攻する軍は1個大隊を失うことになる。従って潜水艦がいないことを確信できるまでは、いかなる国も台湾海峡に強襲揚陸艦を派遣しないだろう」と指摘した。

一方でCNNによると、中台間のパワーバランスでは中国が依然有利。紛争になった場合、中国は潜水艦や水上艦、地上発射型ミサイル、空軍の爆撃機および攻撃機を大量投入できる。台湾の潜水艦計画が高雄で始動したわずか1週間後、中国は対抗手段を誇示した。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「人民解放軍の対潜戦用航空機が爆雷攻撃演習を実施、台湾分離主義者への抑止力になるとの見方」と報道。Y8対潜哨戒機が演習中に爆雷を投下する写真も掲載した。中国の対潜戦能力について報道が出るのは「異例」という。(編集/日向)

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