Record China 2021年1月9日(土) 22時20分
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韓国の住民登録人口が昨年初めて減少に転じた。韓国紙は「衝撃的なニュース」と危機感を募らせ、「抜本的な解決策は結局、良質の雇用の創出と快適な住宅の供給にある」と提言した。写真はソウルの地下鉄。
韓国の住民登録人口が昨年初めて減少に転じた。韓国紙は「世界最低水準の合計特殊出生率と速いペースで進む高齢化を考えても衝撃的なニュース」と危機感を募らせ、「人口絶壁が目前に迫った。抜本的な解決策は結局、良質の雇用の創出と快適な住宅の供給にある」と提言した。
聯合ニュースによると、韓国行政安全部が3日発表した人口統計で、2020年末現在の住民登録人口は5182万9023人となり、前年から0.04%(20838人)減少した。住民登録人口の減少は史上初だ。住民登録人口の増加率は10年(1.49%)以降減少に転じ、18年は0.09%、19年は0.05%と最低を更新してきた。
昨年の出生数は27万5818人で前年比10.65%(32882人)の減少。年間出生数は17年に初めて40万人を割り込み、昨年は30万人も下回った。一方で昨年の死亡数は前年比3.10%(9269人)増の30万7764人で出生数を上回った。
住民登録世帯数は昨年末に2309万3108世帯となり、前年より61万1642世帯(2.72%)増えた。世帯数の増加は単身世帯の急増が背景にある。単身世帯は前年比57万4741世帯(6.77%)増の906万3362世帯。初めて900万世帯を超えた。単身世帯の割合は全世帯の39.2%に達した。
東亜日報は社説で「全体人口が自然減少する『人口のデッドクロス』現象が初めて現実となった」と指摘。「欧米先進国と日本の先例を見ると、出産率の下落と高齢化は労働力不足と消費の減少、これによる企業の生産萎縮と国家財政の悪化につながるほかない」と警鐘を鳴らした。
一方で社説は「子を持つ親に月30万ウォン(約28000円)の児童手当の支給、両親が同時に育児休職を使えば3ヵ月間、最大600万ウォン(約56万円)の育児休職給の提供といった対策は、目前に迫った「人口絶壁」問題を解消するには力不足と指摘されている」と言及。「一時的な現金支給の拡大では問題を解決できないということは、15年間、歴代政府が180兆ウォン(約17兆円)を投じて得た教訓だ」と述べた。
さらに「若者の体感失業率が24.4%で、4人に1人は仕事がない状況なので、若者の結婚、出産が増えることを願うことはできない」と説明。「1人世帯の急増傾向を考慮せず、『住宅供給は十分』として3年以上空回りした政府の不動産政策は住宅価格、チョンセ(韓国独特の住宅賃貸制度)・家賃の大乱を招き、若者の住宅状況をさらに悪化させている」と批判した。
その上で社説は「少子化の抜本的な解決策は、結局は良質の雇用の創出と快適な住宅の供給にある」と強調。「大胆な規制改革で雇用創出の主体である企業の活力を引き上げ、民間主導の住宅供給に政策方向を完全に転換しなければ、少子化、高齢化の沼から抜け出すことは難しいだろう」と論じた。(編集/日向)
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