新型コロナワクチンが世界各地で中国のソフトパワーを押し上げる―英メディア

Record China    2020年12月3日(木) 5時20分

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英紙テレグラフ(電子版)はこのほど、「Covidワクチンが世界各地で中国のソフトパワーを押し上げる」とする記事を掲載した。資料写真。

英紙テレグラフ(電子版)はこのほど、「Covidワクチンが世界各地で中国のソフトパワーを押し上げる」とする記事を掲載した。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)が2日、その内容を要約して次のように伝えている。

パキスタンでは新型コロナウイルスの感染者数が再び急増しており、ボランティアが中国のワクチン候補の接種を始めている。ワクチンの臨床試験が成功すれば、パキスタンは何百万回分を優先的に入手できるという。

パキスタンをはじめとするアジアやアフリカの国々は、高速道路や港湾、鉄道、発電所を建設するため、中国から莫大な投資を受けている。新型コロナウイルスのパンデミックは、中国に新たなソフトパワーのツールを提供している。中国は医療の専門知識を利用して世界的な野望を進めている。このワクチン外交の下で、各国は中国の科学者がワクチン試験を実施するのを支援し、完成したワクチンが利用可能になった場合にそれを共有してくれることを見返りとしている。

中国はまた、国連によるワクチンの世界的な配布計画にも参加しているが、米国バイデン政権が戦略を変更してそれに参加するかは不明だ。

英シンクタンク、王立国際問題研究所の中国担当上級研究員、ユー・ジエ氏は、「中国のワクチンプログラムは、発展途上国との信頼関係を築き、自国民の安全を確保する新たな機会を提供している」とし、「私たちがこのパンデミックから分かったことは、いかなる国も単独ではいられず、中国も新型コロナの流行を完全に抑え込められないということだ。輸入症例は中国の隣国からやってくる。中国がワクチン外交を行っているのは確かだが、それはある意味、中国自身を助けている。なぜなら、すべての近隣諸国がこのパンデミックから抜け出せれば、中国はより安全になるからだ」と述べている。

香港大学公衆衛生学院のベン・カウリング教授は、「中国の新型コロナワクチン開発は、新しい遺伝子技術ではなく、不活化したウイルスを使用するという成熟した方法にこだわっている。そのため、安価で製造が簡単なものになる可能性が高い。中国のワクチンメーカーもこの市場への参入に非常に興味を持っている」とした上で、「中国の製造業の実力は、今後数カ月間に必要とされる膨大な量のワクチンを製造する上で非常に貴重なものとなるだろう。今後2年間で世界のワクチン需要は100億回分にもなる可能性があり、欧米の製造業者では対応できない。よって、中国の製造能力は、欧州だけでなくパキスタンやアフリカなど世界の他の地域にとっても貴重なものになるだろう」と述べている。(翻訳・編集/柳川)

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