中国アリババG創業者、ジャック・マー氏に逆風、「口は災いの元」と海外メディア

Record China    2020年11月14日(土) 7時20分

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中国の電子商取引最大手・アリババ・グループ創業者のジャック・マー氏が逆風にさらされている。監督当局や銀行を公然と批判したためとされ、海外メディアは「口は災いの元」と報じた。

中国の電子商取引最大手「アリババ・グループ」(阿里巴巴集団)創業者の馬雲ジャック・マー)氏が逆風にさらされている。監督当局や銀行を公然と批判し、共産党幹部らの感情を害したためとされ、グループ企業の上場は延期に。ロイター通信は「口は災いの元を痛感すべき結果になった」と報じた。

中国新聞網によると、馬氏は10月20日に発表された中国企業家の資産額トップ100人のランキング「2020年胡潤百富榜」の第1位。資産額は4000億元(約6兆2000億円)に達した。電子商取引でもアリババは最大のシェアを誇り、中国で11月11日の「独身の日」に合わせて行う恒例のネット通販セールで、取扱高が現地時間11日午前0時半時点で3723億元(約6兆円)を突破した。

ロイター通信によると、中国の起業家として最も華やかな存在である馬氏は10月24日、銀行界の大物や金融監督当局者、政府の要人が出席した上海の会合で、監督当局や銀行を公然と批判。国内の金融規制が技術革新の足を引っ張っており、経済成長を高めるなら改革がなされねばならないと主張し、中国の銀行はまるで「質屋」程度の感覚で営業していると率直に意見した。

これに対し、馬氏が批判を浴びせた金融監督当局者や共産党幹部らからは「顔面をひっぱたかれたような発言だった」という怒りの声も上がった。当局は同氏が一代で築き上げた「金融帝国」の頭を抑える作業に乗り出し、最終的にはアリババ傘下の電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループの上場が一時延期される事態へと発展した。予定ではアントは5日に上海と香港で新規株式公開(IPO)を実施し、370億ドル(約3兆8300億円)を調達することになっていた。

今回の発言について、ロイター通信は「馬氏は自分の言葉がどんな影響を及ぼし得るかきちんと認識していなかったかもしれないが、2人の関係者の話では馬氏に近い人々は用意されたスピーチの内容を事前に知って困惑し、金融監督当局のお偉方が来場する以上、もっと穏当な内容にすべきだと提案していた」と伝えた。しかし、馬氏はそれを断り、自分は言いたいことを言えるはずだと信じている様子だったという。

事態の背景として、ロイター通信は「馬氏の発言が物議を醸す前から、アントがコストのかかる銀行規制を免れながら一連の金融サービスを幅広く展開していることに当局が徐々に厳しい視線を向けるようになっていた」とも報道。「特にアントの収益源の一つで、急成長を続ける消費者向けオンライン融資事業への警戒感が高まっていた」との見方を示した。(編集/日向)

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