Record China 2020年9月17日(木) 21時40分
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16日、中国紙・環球時報は、菅首相の就任が日中関係に与える影響について分析した黒竜江省社会科学院東北アジア研究所所長の笪志剛氏の文章を掲載した。写真は菅首相。
2020年9月16日、中国紙・環球時報は、菅首相の就任が日中関係に与える影響について分析した黒竜江省社会科学院東北アジア研究所所長の笪志剛(ダー・ジーガン)氏の文章を掲載した。
笪氏は、「16日に菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に任命された」と紹介。新型コロナウイルス問題や経済低迷に直面する中、「菅氏選出は安倍晋三前首相の急な辞任が残した政治の空白期間を終わらせた」などと伝えた。
菅首相は、総裁選出馬の時から安倍氏の基本路線継承を宣言していると笪氏は指摘。第一次安倍政権では総務大臣を担当し、第二次安倍政権では8年近くにわたって安倍氏を支えたことから、「内政についてはうまく処理することが予想されるが、外交能力については少なからぬ人から疑問視されている」としている。
その上で笪氏は、「安倍路線の継承者として、菅首相の外交は安倍氏の積極的平和主義外交を覆すものとはならず、『地球儀を俯瞰する外交』のコピーともならない」と分析。安倍氏の外交方針を基礎として独自のカラーを出していくと予想した。そして対中関係においては次の三つのキーワードを「比較的突出する」ものとして示した。
その一つが「安定を優先させること」。笪氏は、非常時の首相として菅首相は何より安定を重視するはずで、「そのために対中関係は系統的である必要があり、安定性の変化や危険の発生は許容しないはずだ」と分析。安倍氏の外交方針の長所を最大限継承し、積み重ねてきた対中外交のプラスの遺産を発展させていくことが基本方針になるとしている。
二つ目は「実務的な道の切り開き」。対中関係においてはきっぱりとした姿勢で日本の権益を守り抜く必要があるが、時勢を見て臨機応変に改善基調を維持する必要もあるため、安倍氏のように「二面性のある対中外交」になるだろうと論じた。
三つ目は「独自色を打ち出すこと」。戦後の日中関係は紆余曲折を経て今日に至っており、12年の尖閣諸島問題で日中関係が大きく冷え込んでから、18年の安倍氏の訪中で大きく改善して今に至ると笪氏は指摘。適切な対中外交は歴代内閣が重視、また望んできたことだが、同時に難しい問題でもあり、実務に取り組む内閣として、現在の良い雰囲気の日中関係を菅式外交の看板、また潜在的な資源として打ち出していくだろうとした。
笪氏は、コロナ禍に見舞われる中、両国には域外の要素の影響で意見の一部食い違いが生じたが、菅首相が新たな希望をもって特色ある対中外交の構築を推進する中、両国の識者の知恵をもってすれば問題を解決することができると主張。「日中双方が善意と誠意をもって意思疎通を試み、友好継続を志せば、菅首相の任期内に日中関係は大きく改善する」と期待を示した。(翻訳・編集/山中)
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