Record China 2020年9月12日(土) 8時30分
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10日、中国紙・環球時報は、日本はデジタル経済分野においてリーダーシップを発揮することで政治大国になろうとしているとする中国専門家の文章を掲載した。資料写真。
2020年9月10日、中国紙・環球時報は、日本はデジタル経済分野においてリーダーシップを発揮することで政治大国になろうとしているとする上海国際問題研究院の研究者・陳友駿(チェン・ヨウジュン)氏の文章を掲載した。
陳氏は、昨年のデジタル産業規模の統計によると、米国と中国が世界のデジタル経済の「二極」であるが、日本が「第三極」の主要構成力となっていると指摘。この2年で日本はデジタル経済分野において積極的になっており、デジタル政策を出しただけでなく、デジタル経済分野でのルール作りを新たな外交任務としており、日本はリーダーシップを発揮することで政治大国になるとの夢を実現しようとしていると分析し、そう言える三つの理由について述べている。
その一つが、「日本は自国の利益にかなう戦略理念を出し、世界中へ広めようとしていること」。19年に日本政府は「データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト(DFFT)を提唱し、自由なデータの流通およびデータの安心・安全の実現を強調していると紹介。データのオープン化、透明化、アクセシビリティーを強調しており、G20などの場において説明し宣伝していると伝えた。
二つ目は、「『デジタル経済ガバナンス同盟』を構築することにより、自身の戦略設計を拘束力のあるルールにしようとしていること」。特に、日米欧三極貿易大臣会合が日本の目標実現のための主なルートとなっており、第4回会合で初めてデジタル分野や電子商取引についての議論が行われ、第6回会合では高いレベルでの合意を可能な限り多くの世界貿易機関(WTO)加盟国の参加の下で実現することで合意したと伝えた。これは「日本にとって経済外交の成果と見られている」としている。
三つ目は、「日米欧三極貿易大臣会合とは別に米国とデジタル貿易協定を結んだこと」。これにより日本は日米関係を強固にすることができただけでなく、デジタル経済におけるルール作りという戦略にもかなっており、将来的に世界のデジタル貿易におけるルール作りにおいて優位になるのだという。
陳氏は、「上記の点を鑑みて、日本はデジタル経済ガバナンスを切り口として、『大国』とのイメージを作ろうとしている」と分析。しかし、「日本がデジタル経済ガバナンスをリードすることで政治大国となるという戦略が実現できるかどうかは、日本国内のデジタル産業やハイテクの支えが必要であるほか、世界の政治経済状況の動きにも依存している」としている。
陳氏は最後に、「現在のグローバルなデジタル経済ガバナンスを見ると、政策の独立性という難関が日本のデジタル経済外交の前に横たわっており、この現実的な問題を解決することが、政治大国として踏み出す着実な第一歩となる」と結んだ。(翻訳・編集/山中)
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