ソニーの平井社長、「無用の長物」と化した家電事業にメス―中国メディア

Record China    2014年2月12日(水) 18時34分

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11日、今年1月に開かれた世界最大の家電見本市「2014 International CES」において、ソニーの平井一夫社長兼CEOはスピーチを行った。

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2014年2月11日、今年1月に開かれた世界最大の家電見本市「2014 International CES」において、ソニーの平井一夫社長兼CEOはスピーチの中で、来賓にスマートウォッチ、4Kテレビ、スマートフォン、プレイステーション、デジカメ・デジタルビデオカメラを紹介したが、ノートPCのVAIOだけは取り上げなかった。これは一つの予兆であったかもしれない。ソニーは1カ月後の今月6日に、VAIOのノートPC事業を売却し、テレビ事業を分社化し、単独した子会社を設立すると発表したからだ。京華時報が伝えた。

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ソニーの社長に就任してから2年余りに渡り、平井社長は長年に渡る巨額の赤字を受け、一連の改革措置を講じた。社内の資源配置を改善し、オフィスビルを売却し、主力以外の事業を手放した。これらの措置により、平井社長は就任から1年目で黒字化を実現した。しかし社内に多くの問題を抱えるソニーにとって、これらの小規模な措置は不十分であり、大手術が必要になっている。平井社長は手術のメスを自社の古い「病気」、家電に向けている。特に「無用の長物」と化しているノートPC事業、赤字を計上し続けているテレビ事業に的が絞られた。

◆ワン・ソニー

ソニーは中国市場で、ソニー(中国)、ソニーモバイルコミュニケーションズ、ソニー・ミュージック、ソニー・ピクチャーズなど独立した子会社を持っており、その他の市場においてもほぼ同様だ。平井社長は2012年上半期の就任以降、16カ国の子会社を訪問し情報を集め、中国だけで3回も訪問した。平井社長はその後間もなく「ワン・ソニー」という戦略を掲げ、社内資源の統合を求めた。

ソニー社内では、各部門がそれぞれ勝手な経営をするという、「大企業病」が長く存在している。平井社長は調査の中で、社内の4部門がタブレットPCを同時に開発していることに気づいた。平井社長は部門を跨ぐユーザー総合体験部門を設置した。同部門はデジカメ、テレビ、ゲーム機、音響・映像機器、パソコンの製品計画を総合的に評価し、方針を決定する権利を持ち、これを直接指導できる。タブレットPCの製品名についても、平井社長は直接「Sony Tablet」と命名した。ソニーのすべての製品シリーズは独自の名称を持ち、テレビはブラビア、ノートPCはVAIO、デジカメはサイバーショット、携帯電話はXperiaと呼ばれる。

製品名は当然ながら表面的な変化であるが、実質的な変化も生じている。例えばソニーが発売したXperia Zは、1300万画素の裏面照射積層型CMOSという、サイバーショットのカメラ機能を搭載しており、ディスプレイとエンジンはブラビアから来ている。同製品は平井社長の「ワン・ソニー」戦略が、ハード面で実行された証拠とされている。

◆VAIOの売却、苦しい選択

ソニーは世界最大の音楽・映画製作企業で、日本で最大の利益を上げている保険会社であるが、多くの人はソニーを家電メーカーとして認識している。トリニトロン、ウォークマン、プレイステーション、VAIOなどのスター家電製品により、ソニーは世界家電大手に成長した。

しかし平井社長は、家電事業にメスを入れることを決定した。ソニーは2月6日、ノートPC事業をVAIOブランドと共に、投資ファンドに売却することを発表した。VAIOは評判が良いが購入者が少なく、またPC業界の全面的な低迷を受け、黒字を実現できなくなった。平井社長にとって、VAIOの売却は「苦しい決定」であり、身を切り裂き命を救うようなものであった。

◆テレビ事業の分社化

VAIOの売却と比べ、テレビ事業を分社化し、専門的な子会社を設立することは、「ワン・ソニー」という戦略にもとるように見える。これは、平井社長の財務面のテクニックと憶測されている。つまり最大の赤字を抱える事業を一時的に切り離すことで、2013年度の業績を粉飾しようというのだ。

テレビ事業はソニー衰退の縮図だ。ソニーが創立後に急速に発展できたのは、トリニトロンというディスプレイ技術を開発し、当時の伝統的なCRTテレビ時代の覇者になったからだ。ソニー製のテレビの画質・音質も、世界で高い評価を蓄積した。しかしこのディスプレイ技術を過信したことで、ソニーは液晶テレビの発展チャンスを逃し、サムスンLGなどの他社に追い越された。ソニーのテレビ事業は8年連続で赤字を計上しており、最大の業績負担になっている。

ソニー社内では、テレビ事業の売却を求める声が上がっている。しかし平井社長は多くの場で、売却を検討しないことを表明しており、ソニーはテレビ事業で「目立たぬ華麗な回帰」を実現すると称した。この華麗な回帰の手段は、4K技術だ。平井社長は画質面の取り組みを強化し、4K技術により高級テレビ市場を占め、製品の高い収益率を確保しようとしている。今年のCESで、ソニーは9機種の4Kテレビを一挙公開した。

平井社長は、テレビ事業は分社後も、同社の全体戦略の中で重要な地位を占めるとしている。平井社長は、「今年のソニーの4Kテレビは、主に米国・中国という2大市場を攻める。そのうち中国は当社が家電事業復活を実現する重要な市場だ。当社は中国で生産・開発・ソフト・設計・技術を一体化した経営体制を敷く」と語り、「日中関係が安定化し、良い方向に向かい発展することは、当社を含む日本企業の中国経営にとって極めて重要だ」と指摘した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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