小島康誉 2020年8月1日(土) 16時20分
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筆者の国際協力は、中国、まして新疆ウイグル自治区での活動のため、昨今の民族問題報道もあり「なぜ?」「そんなところで!」との質問も度々受ける。写真は「ウルムチ対外経済貿易商談会」開会式、前列左4が筆者。
筆者の国際協力は、中国、まして新疆ウイグル自治区での活動のため、昨今の民族問題報道もあり、「なぜ?」「そんなところで!」との質問も度々受ける。「変人」と言われ、嫌中派からは「日本人か!」と詰問されたことさえある。一方、北京での宴会で「貴方は意見をはっきり言うから長く付き合っている。中国大好きは良いけど、中国べったりの日本人は本当の友人と思わない。中国は好きだが、自国も大切にしている人こそ真の友人」と言われた。
習近平国家主席2013年提唱の「一帯一路」は「シルクロード経済帯」と「21世紀海上シルクロード」であるが、その先駆けとして国務院方針「西北5省区は西に向かって発展」のもと、1992年には「ウルムチ対外経済貿易商談会」(烏洽会)が始まっている。筆者は第一回から度々招かれ参加し、伊藤忠商事にブースを設置してもらったこともある。
自治省(現総務省)広報誌『自治体国際化フォーラム』1994.8月号に「中国新疆ウイグル自治区と日本の都道府県との友好提携について」を寄稿し、新疆の3大キーワードは「シルクロード・石油・中央アジア経済圏のセンター」と記したこともある。今日の「シルクロード経済帯」に相当する「中央アジア経済圏」に言及する人は当時、殆どいなかった。
その「一帯一路」の要衝である新疆での国際協力の紹介を、レコードチャイナとの有難い縁で、今年1月より開始した。感謝しきれない。そのささやかな実践はこれまでに紹介させていただいたが、まとめれば以下のようである。世界的文化遺産保護研究方面では、開始28年後に世界文化遺産となった「キジル千仏洞修復保存活動」・調査開始7年後に中国の国宝中の国宝を発掘した「日中共同ニヤ遺跡学術調査」・焼損した法隆寺金堂壁画の源流実物資料といえる壁画を発掘し保護した「日中共同ダンダンウイリク遺跡学術調査」。
人材育成方面では、4600人余に提供した「新疆大学奨学金」・約400人・組織へ提供した「新疆文化文物優秀賞」・1600人余に提供した「シルクロード児童育英金」・5校舎を建設した「希望小学校」。その他では、水改良プロジェクトや博物館建設などへの「各種寄付」・多数の「各種代表団派遣と招聘」・多数の「各種講演・写真展・出版」・多数の「各種仲介」・4点の「档案史料出版」・文化遺産保護意識啓蒙「中国歴史文化遺産保護網」などである。
筆者はいわゆる「中国一辺倒派」「中国評論家」でなく、日中理解・日中共同実践家である。「日中友好を基礎として、日中理解を促進し、日中共同を実践すべき」と主張しつづけている。1972年「広州交易会」に参加し、82年に新疆を訪問したのが縁で、多民族の温かい人情と豊富な文化遺産に出会った。そして国際協力の重要性に気づき、実践を開始した。
■筆者プロフィール:小島康誉
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 <新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方> 書籍はこちら(amazon) 小島康誉氏コラム
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