関上武司 2020年7月19日(日) 14時0分
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実物大フリーダムガンダムの上海進出を祝って、中国国内の遊園地の偽ガンダムを振り返ってみたい。
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【その他の写真】
2021年に上海市へ実物大フリーダムガンダムが進出とのことで、版権的に問題がないのは言うまでもないだろう。筆者は中国各地で様々な形態の偽ガンダムと遭遇してきたので、さすがに隔世の感がある。そこで今回は最初にお台場の実物大ユニコーンガンダムの写真(1枚目)を見てもらってから、中国国内の遊園地の偽ガンダムと比較しながらご覧いただきたい。
2枚目の写真は山東省青島市の中山公園の遊園地エリアで撮影したものだが、かろうじてガンダムのフォルムは留めているものの、小学校1年生くらいの塗り絵レベルに見えるところが非常に微笑ましい。
3枚目は同じく青島市の青島宝龍楽園(ほぼ廃墟モール)の地下にあった開心楽園という屋内遊園地で発見したガンダム型遊具。コインを投入すると稼働するようだが、2019年の時点で開心楽園そのものが営業していなかった。
4枚目は雲南省昆明市の西華園で撮影。3枚目の写真と同様、クロスチョップをしそうなガンダムの形状だが、他の遊具と連結されて頭上には回転灯が設置されていまいち理解できないコンセプトになっている。類似品は吉林省敦化市の北山公園でも目撃している。
5枚目は雲南省昆明市の宝海公園で目撃した回転遊具に設置された偽ガンダム遊具だ。製造したメーカーは中国各地でガンダム遊具を手広く販売している模様だ。
やはり中国の偽ガンダムで読者にも衝撃的だったのは、四川省成都市の国色天郷楽園のものだろう。お台場の実物大ガンダムに触発されたのか、2010年12月に園内に作られた偽ガンダムは本物そっくりの外観だったが、黄色いボディカラーだった。予想通りの展開で版権を管理する創通の中国サイドに訴えられて年内に撤去されたものの、翌年にはガンダムにザク(ジオン軍を代表するモビルスーツ)のスパイクといった要素を取り入れた凶悪なスタイルになって復活。ネットでも偽造戦士ガンダム、チャイニングガンダムといった凄まじい呼称をされ、話題を提供していた。筆者訪問時の2012年には跡形もなくなり、6枚目の写真のような野外ステージのみとなっていて非常に残念だった。
7枚目は遼寧省瀋陽市の瀋陽森林動物園で撮影。本物にかなり近い形状なのだが、塗料の退色が気になる。一番の問題は肩関節がガタガタで両手が紛失しており、ガンダムの兵装はほぼ使えない状態だ。メンテナンスはしっかりしていただきたい。
8枚目は上海市の錦江楽園で目撃した青いガンダムだ。筆者は2014年と2016年に撮影したが、大きな劣化は見られず、堅牢な構造になっていた点は評価すべきだろう。それにしても両手の電波塔の如き武器?についてはまったく理解できない。どうしてこのようなデザインにしたのだろうか?
なお、『機動戦士ガンダム』といえば、ハリウッド映画の『パシフィック・リム:アップライジング』や『レディ・プレイヤー1』にも登場している。中国の雑誌『知日』の26号は機甲特集になっており、歴代ガンダムシリーズやガンプラも紹介されていることから、意外と世界的に有名なコンテンツだと思われる。
■筆者プロフィール:関上武司
1977年の愛知県生まれ。愛知大学経営学部卒。中国で留学や駐在員としての勤務経験あり。日本や中国のB級スポットを紹介するブログ・軟体レポートの管理人。中国遊園地の取材で中国の全省、全自治区、全直轄市へ訪問。会社員の傍ら、「中国遊園地大図鑑」シリーズを執筆し、メールマガジンのロードサイダーズ・ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行」を連載中。このほかイベントも開催している。Facebookはこちらtwitterはこちら
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