Record China 2020年7月11日(土) 5時40分
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南シナ海で米中両国の軍事的緊張が拡大している。米海軍は6年ぶりに空母2隻を派遣して訓練を実施。同時期に中国海軍も南シナ海で訓練を行った。左は米海軍空母「ロナルド・レーガン」(出典:海上自衛隊FB)
米海軍は4日、原子力空母2隻を中国が広範な領有権を主張する南シナ海に派遣して軍事訓練を行っていると明らかにした。米空母2隻が南シナ海に派遣されたのは2014年以来で、01年以降でも2度目。同時期に中国海軍も南シナ海で訓練を行っており、米中両国の軍事的緊張が拡大している。
米CNNなどによると、派遣された空母は「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」。2隻による大規模演習は米国が「自由で開かれたインド太平洋地域」という理念の下、南シナ海での「航行の自由」を死守する立場を同盟・友邦諸国に明示する狙いがあるとみられる。
米海軍は声明で「防空能力の最大化と艦載機からの長距離精密攻撃の射程の拡大を目的とした複数の軍事訓練を実施した」と説明。「国際法が許すところで飛行や航行、演習を行うという全ての国家の権利を擁護する米国のたゆまぬ関与を支持するもの」と強調した。
今回の派遣について、CNNは「60機以上の航空機やミサイル巡洋艦、駆逐艦も同行している。これはまるで米政府は同地域におけるあらゆる影響力を中国政府に対して譲り渡すことはないと宣言しているかのようだ」と報道。米海軍幹部は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「目的はわれわれが地域の安保と安定を公約したわれわれのパートナーと同盟に曖昧ではない信号を送ることにある」と述べた。中国の脅威を座視しないという意味だ。
一方、中国外交部報道官は「域外の一部の国が大規模な軍事活動のために数千マイルも移動して南シナ海を訪れて、武力を誇示することは、南シナ海の安定に影響を与える根本的な理由である」と反発。米国が派遣を確認した4日、中国の戦闘機は台湾南西部の防空識別圏に進入した。今年に入り中国の戦闘機が台湾の防空識別圏に入ったのは、すでに10回を数える。
さらに中国軍は1日から南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺に加えて、東シナ海と黄海でも軍事演習を実施した。国営中央テレビは「三大戦区の海軍が実戦演習を行った」と南部、東部、北部の3戦区の部隊が同時期に演習を実施したことを伝えた。ミサイル駆逐艦などが投入され、火力を使用する映像も公開された。東シナ海ではヘリコプターによる偵察や、船舶の臨検、拿捕(だほ)の訓練も行ったという。
米軍と中国軍が同時期に同じ海域で軍事演習を行うのは極めて異例。お互いに一歩も引かない姿勢を強めており、南シナ海の緊張は今後ともさらにエスカレートしそうな雲行きだ。(編集/日向)
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