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サーモンが「非難の的」、北京の日本料理店は大丈夫?―中国メディア

人民網日本語版    2020年6月23日(火) 22時50分

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北京新発地卸売市場の責任者が「輸入サーモンをカットしたまな板から新型コロナウイルスが検出された」と発表してからわずか数日間で、行列のできる日本料理店が営業停止に追い込まれた。

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「うちの店は新型コロナウイルス感染症からほぼ回復したところだったが、北京市で新型コロナのぶり返しが起こり、売上高がいきなり80%も減少した。今回のぶり返しは、本当に泣き面に蜂だ」。中国新聞網アプリが伝えた。

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北京市豊台区の回転寿司チェーンをのぞくと、普段のようなにぎわいが見られず、入り口付近にあるサーモンの看板が外され、営業を停止するというお知らせはまだ4日前のものだった。わずか数日間で、行列のできる店が営業停止に追い込まれた。

1週間前、北京新発地卸売市場の責任者は、「関連当局が抜き取り検査をしたところ、輸入サーモンをカットしたまな板から新型コロナウイルスが検出された」と発表。この情報が伝わるとサーモンは瞬く間に「非難の的」になり、サーモンの刺身など生の食材を使ったメニューが中心の日本料理店が打撃を受けた。それから1週間がたった今、日本料理店はどのような状況だろうか。

■日本料理店はまだ営業している?

北京で感染症が起きると、市内主要スーパーの超市発、物美、家楽福(カルフール)などは夜通し作業をしてサーモン商品をすべて棚から下ろした。同時に、北京は市内全域で大規模な食品安全検査を行い、外食産業やスーパーなどが新発地市場で仕入れた食肉、シーフードを全面的に検査し、現場で封をして保管した。6月13日には、北京京深海鮮市場も一時的に営業停止になった。

日本料理店はサーモンなしで通常通りの営業ができるのか。豊台区の日本料理店15店をランダムに選んで電話で問い合わせると、通常通り営業している店が4店しかなく、一時営業停止中が6店で、残り5店は電話が通じなかった。

営業中の4店のオーナーはそろって、「しばらくサーモンの刺身は提供しない。いつメニューに復活するかは未確定」と言い、「マグロの刺身は提供している」が1店だった。営業中4店は主に火の通った料理を提供し、しっかり火の通った料理のコースを提供するところもあるが、火の通った料理が充実していない店もある。

料理の提供スタイルでは、「今は持ち帰りとデリバリーだけで、店での飲食はない」、「店の飲食では1つのテーブルに1人だけ」と答えたところが、それぞれ1店ずつあった。また多くの店が、「従業員は全員PCR検査を受けた。サーモンなどの食材はすべて保管している」と答えた。

その後、北京市の他の区でも日本料理店10店をランダムに選んで問い合わせたところ、全ての店が通常通り営業しており、生の食品の提供をやめたほかは、普段と変わりないと答えた。1店だけ「デリバリーのみ、店での飲食はなし」があった。しかしデリバリープラットフォームで日本料理を検索すると、多くの店舗が「休業中」と表示された。

営業停止中の日本料理店でも、その期間はまちまちで、未定もあれば3日間も10日間もあり、来週から営業再開というところもある。営業停止の主な原因は仕入れの問題だ。ある店のオーナーは、「仕入れルートがなくなった。新鮮なものがなければ提供できない。2-3日して状況がよくなったらまた考える」と答えた。

■日本料理店への影響は大きいか?

北京の某日本料理チェーンブランドの創業者がこのほど、「うちの店は新型コロナウイルス感染症からほぼ回復したところだったが、北京市で新型コロナのぶり返しが起こり、売上高がいきなり80%も減少した。今回のぶり返しは、本当に泣き面に蜂だ」と発言し、熱い議論を呼んだ。報道によると、同店は5月には感染症以前の80%の水準まで売上高が戻り、1日あたり1万元(約15万円)の売り上げがあったが、6月13日以降は約1000元(約1万5000円)に激減した。

客と売上高の減少は、多くの日本料理店が直面する問題だ。このたび取材した営業中の店の多くが、「今はお客様は多くない」と答え、ある店のオーナーは、「うちが受けた影響は特に大きい。従業員はみんな休暇を取って家に帰った。店を開けてもお客様は来ないし、いっそのこと店を閉めた」と話した。

取材した日本料理店では京深海鮮市場で仕入れた食材が多い。オーナーの中には、「今は仕入れルートがなくて営業ができない」という人もいれば、「サーモンのことはよくわからないうちに、営業には踏み切れない。サーモンの刺身をはじめ生の食材が提供できるようになるまで、しばらく時間がかかりそうだ」という人もおり、また、「生食材のメニューを出しても、誰も食べたがらないだろう」とした人もいた。

輸入食材を扱う日本料理店も商売がうまく行っていない。チェーンブランドの多くが食材の由来と出入境検査の証明書を掲示して消費者の懸念を解消しようとし、全店舗でメニューの値上げはしないと宣言したところもある。

また、メディアの報道によると、四川省成都市の日本料理店でさえ、シーフードレストランは入り口に食品検査報告書の掲示板を設置し、調味料から、食材の原料、輸入肉類、米・小麦粉などの副食品まで、すべての検査合格証明書がついている。しかし、「この検査には新型コロナウイルスの検査も含まれているのか」と問い合わせる客もいるという。

■サーモンはやっぱり食べられないのか?

それではサーモンはやっぱり食べられないのだろうか。日本料理店に行って消費してもいいのか。

中国疾病予防管理センターの感染症学首席専門家の呉尊友(ウー・ズンヨウ)氏は、「輸入サーモンをカットしたまな板から新型コロナウイルスが検出されたからといって、サーモンが感染源だと結論するわけにはいかない。まな板に触れたすべての人と物品に感染源である可能性がある」と述べた。

同センターの馮録召(フォン・ルージャオ)研究員は、「今はまだシーフードも含めて食べ物を食べたことで、消化系から感染したという証拠はない」と述べた。20日は国家食品安全リスク評価センター微生物実験室の李鳳琴(リー・フォンチン)室長が、「輸入食品、たとえば牛肉やシーフードなどは普段通り買ったり食べたりすることができるが、予防はしっかりする必要がある」と述べた。

同センターの施国慶(シー・グオチン)副センター長も、「サーモンを食べるにしても他の食品を食べるにしても、しっかり洗って、必要な調理をしてから食べるべき」と強調した。

馮氏は可能性のあるリスクを軽減するため、「食べ物を買うときには、できるだけ生の魚や生の肉に触らないようにすること。また調理の前と後には手洗いを徹底し、生ものとそれ以外でまな板を分け、食べ物と飲用水は加熱してしっかり火を通し、果物は皮をむいて食べ、食器は15分間スチーム消毒するといい」とアドバイスした。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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