人民網日本語版 2020年6月15日(月) 21時50分
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浙江省温嶺市政府は14日午前、G15瀋海高速道路のタンクローリー爆発事故について、1回目の記者会見を開いた。
浙江省温嶺市政府は14日午前、G15瀋海高速道路のタンクローリー爆発事故について、1回目の記者会見を開いた。初期段階の調査によると、ナンバー「浙CM9535」の液化石油ガスを積んだタンクローリーが13日午後に寧波市から温州市に向かい、G15瀋海高速道路の温嶺市大渓鎮良山村付近を走行中に爆発が発生した。現在まで19人の死者が出ており、172人が入院し治療を受けており、うち重傷者は24人。周辺の建築物に破損が生じた。科技日報が伝えた。
積載量約20トンの液化石油ガス(LPG)タンクローリーの爆発で、これほど大きな危害が生じたのはなぜだろうか。
■液化石油ガスが漏洩しガス化し、空気と混ざり爆発
液化石油ガスはプロパンとブタンの混合物で、少量のプロピレンやブチレンなども含まれる。通常は刺激臭のするエタンチオールを混合し、漏洩した際に発見されやすいようにしている。
データによると、1キログラムの液化石油ガスのエネルギーは約4万6100キロジュールで、1キログラムのTNT火薬の爆発によるエネルギーは約4200キロジュールだ。そのため液化石油ガス1キログラムが完全燃焼した際のエネルギーは、TNT火薬約10キログラムのエネルギーに相当する。一方で、手榴弾1個にはTNT火薬が約50グラム含まれる。言い換えれば、家庭用の満タンのガスボンベ1本の爆発によるエネルギーは手榴弾3000個分に相当し、2階建ての建物を破壊できる。
中国農業大学の陳奎孚教授は14日、「エネルギーは威力に相当しない。TNT火薬の爆発にかかる反応時間は通常10万分の1秒で、極めて短時間内に大きな圧力と衝撃波を生む。それに対し、液化石油ガスのこの時間は数百分の1秒、さらには数十分の1秒であり、生じる圧力は一般的には数十気圧だ。そのため同じ質量の液化石油ガスの爆発で生じる威力はTNT火薬を下回る」と説明した。
しかし今回の爆発はなぜこれほど強かったのだろうか。陳氏は「液化石油ガスを保存するタンク内は15気圧で、いったん本体やバルブ、パイプが破裂し液化石油ガスが漏洩すれば直ちにガス化し、空気と混ざり爆発する」と分析した。
「また、今回の爆発があったのは住宅密集地付近で、さらに吹き飛んだタンクローリーが道路沿いの工場に衝突し二次爆発を引き起こした」と陳氏。
タンクローリーは密封されたタンクで、液体の壁への圧力を分散させるため円柱形が一般的だ。各種オイルの熱膨張と冷収縮の状況を考慮し、満タンにすることができない。液化石油ガスを運ぶタンクの有効容積は通常50−60立方メートルの間で、約90%で満載となる。タンクの上部には安全弁があり、正常な状況であればタンクは密封されている。
上海応用技術大学都市建設・安全工学院の安全工学(消防工学)准教授の麻庭光氏は、「動画を見ると、爆発現場の衝撃波は非常に強かった。液化石油ガスと空気が一定の化学量論比に混合された場合のみに発生しうる。通常の液化石油ガスの漏洩では爆発が発生するとは限らない。そのため今回の事故の漏洩の過程、揮発の過程、爆発の過程について調査を掘り下げる必要がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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