2020年4月22日、韓国・ソウル新聞は、30日からの大型連休を控えて、同国のリゾート地として知られる済州（チェジュ）島に観光客が殺到すると予想され、島に緊張が走っていると伝えた。

大韓航空とアシアナ航空、済州航空の国内航空会社3社は、新型コロナウイルスの感染が拡大してから運行を停止していた大邱～済州路線の運航を再開する。同路線は感染拡大を受けて乗客が急減し、同国の格安航空会社・ティーウェイ航空のみが唯一運航を続けてきた。客足が戻り航空便も正常化するという。

連休を控え、済州行きの航空需要が増えたことから、最低2万ウォン（約1700円）まで下落した航空券の価格も、大型連休期間は例年の90％水準の7～12万ウォンまで上昇した。連休初日30日の金浦（キンポ）発済州行きの航空券は、既に予約受付を締め切った。

済州観光協会は、連休中に済州を訪れる観光客は、1日2万5000人～3万人ほどになると予想。例年の大型連休（約4万人）には及ばないものの、再び客足が戻ると見ている。

済州地域の30カ所のゴルフ場は、一足早く予約受付を終了した。ゴルフ旅行を専門とする旅行会社の代表は、「東南アジアや中国へゴルフに行けなくなり、済州のゴルフ場はどこも連休中の予約が殺到し、一部のゴルフ場は順番待ちになるほどだ」と話しているという。

また、ホテルの予約率も正常に戻りつつあるといい、ホテルの関係者は「連休が近づくにつれ予約が多くなると予想される」と話しているという。

済州島は、島を訪れる客からの感染の広がりを遮断するため、防疫を強化する。全ての客に発熱チェックを行い、海外への滞在履歴がある人と症状が見られる客は、空港などで検査を受けてもらう。島の関係者は「旅行時にはマスクを必ず着用し、症状が疑われたり、海外への渡航履歴があったりする場合には入島を控えてほしい」と話しているという。

これに、韓国のネットユーザーからは、「もう少しだけ、旅行を我慢してくれないかな？」「私は看護師。旅行は時期尚早だと思う」「事態を収拾する医療スタッフや関係者のことも考えて」「どうか家にいてくれ」「空港を閉鎖すべきだ」「全国から済州に集まった人たちが、全国にウイルスを広げてしまう可能性がある」などと旅行自粛を求める声が上がっている。

また、島民だとするユーザーからのコメントも見られ、「どうか済州に来るのは控えて。感染が広がったらどうしたらいいのだろう」「マスクを必ず着用して。決まり事を守ってほしい」などといった声が上がっている。（翻訳・編集/関）