2020年4月16日、韓国・国民日報は、北海道で交通事故に遭った韓国人学生の父親の請願が話題になっていることについて報じた。

記事によると、韓国大統領府の国民請願掲示板に15日、「日本で交通事故に遭った息子を韓国に移送してください」と題する請願が寄せられた。

請願で父親は「息子が北海道大学に留学中の3月30日に交通事故に遭った。踏切でトラックにひかれ、現在は北海道大学病院に入院している」とし、「外交部、外務省、教育部、文部科学省、学校側、そして札幌総領事館の助けで奇跡的にこの時期、先週木曜日に札幌に来ることができた」と説明している。現在、この学生は急性硬膜下血腫で命に別条はないというが、せん症状がひどく、腕や脚、胴体を固定された状態で、「安定するまで約1カ月ほど必要」だという。

また「安定したら韓国に移送したいが、現在札幌と韓国間の直行便がない。一日も早く直行便を運行してほしい」「安定後も直航便がなければ、外交ラインの協力を通じて日本のドクターヘリで成田まで移送後、韓国に行けるようにしてほしい」と訴えているという。

この学生は現在「日韓学部生相互交流事業」の一環として国費留学中だという。同事業は自筆署名をしないと奨学金が出ないシステムになっていることから、父親は「現在の状態では（直筆の署名が）できない状態。日韓両国の協力を通じて奨学金が支給されるよう協力を願う。奨学金通帳から部屋代とその他費用が支払われるようになっている。奨学金が支給されれば、子どもの状態が安定するまで両親が滞在できる。両国間の緊密な協力で必ず奨学金が支給されるようにしてほしい」とも訴えているという。

同請願は17日午前9時45分の時点で6600人以上の同意を得ている。

これに韓国のネットユーザーからは「残念だけどドクターヘリは無理じゃないかな。自筆の署名については大使館に何とかしてもらいたい」「これはちょっと違うと思う。トラックの運転手に賠償してもらうべき。韓国じゃなきゃ治療が受けられない状況でもないし…。なんで国が支援しなきゃいけないの？」「気の毒ではあるけど、これは個人的に解決すべき問題。大体こんな時期に日本への留学を強行したのは本人の選択でしょ？加害者とうまく解決できなくても、保険などを使って自力で解決した方がいい」「日本も医療環境は整っているのだから日本で治療するればいいのでは？わざわざ大変な思いをして韓国に帰る必要ある？」などと指摘する声が寄せられている。

一方で「個人の力ではどうしようもないから外交部に助けを求めているんだ」「韓国国民なら助けてあげるべき」との声も。

その他「何でもかんでも請願するのはやめて。国が個人的な事情まで面倒みるサービスセンターじゃない」と呼び掛ける声も見られた。（翻訳・編集/松村）