新型コロナ感染者を診察したのに…検査拒否された日本の医師、中国紙に不満吐露「ハードル高すぎる」

Record China    2020年3月19日(木) 16時50分

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18日、中国紙・環球時報は、新型コロナウイルス感染者を診察したにもかかわらず現地の保健当局からPCR検査を断られたクリニックの院長が、「無責任」と行政を批判したことを報じた。写真は神戸。

2020年3月18日、中国紙・環球時報は、新型コロナウイルス感染者を診察したにもかかわらず現地の保健当局から(ウイルスの有無を調べる)PCR検査を断られたクリニックの院長が、「無責任」と行政を批判したことを報じた。

兵庫県神戸市にある平佐クリニックの平佐昌弘院長が18日、環球時報の記者によるインタビューに応じた。平佐院長は、同クリニックで診察を受けた患者が翌日に新型コロナウイルスによる肺炎を発症していたことが判明、自身も患者と近い距離で接触したことから神戸市保健福祉局にPCR検査を求めたものの「厚生労働省の規定では、医療スタッフが診察時にマスクをするなど相応の防護措置を取っていた場合は濃厚接触に当たらない」として検査要件を満たさないことを理由に検査を拒否されたと状況を説明したという。

また、本人を含めたクリニックのスタッフに感染の可能性があることから診療休止に踏み切った平佐院長が「通常診療を再開してよいか」と問い合わせたところ、「自身で様子を見てやってほしい」と言われたといい、平佐院長は「これは責任逃れではないか」と指摘したという。

記事によると、現在はクリニックの窓口に「新型コロナウイルス感染者を診察した」旨を知らせる掲示を出した上で、平佐院長が1人で必要な患者に薬を窓口越しに渡すことだけを行っているとのこと。平佐院長は「クリニックの状況、自分の健康状態が心配で、夜も眠れなくなり、心身ともに疲れを感じている」と漏らしたほか、環球時報の記者に対して「日本はPCR検査のハードルが高すぎる」と嘆いたという。

一方、神戸市保健福祉局の担当者は「無症状や軽症の感染者まですべての人に検査を行うというのは非現実的。わが国では現在、有効な医療資源を本当に必要とする患者に使用すべく、重症患者を検査するスタンスを取っている」との見解を示したとのことだ。

記事は、医療従事者から出た「検査難」の声に対し、日本のネットユーザーからも「もっと柔軟な対応策を速やかに講じるべきだ」との批判の声が出ていると伝えた。(翻訳・編集/川尻

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