Record China 2020年2月28日(金) 7時10分
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26日、中国誌・人民中国は「新型肺炎流行における、日本ネットの『動』と政治家の『静』」と題した、同誌副編集長・陳言氏によるコラムを掲載した。資料写真。
2020年2月26日、中国誌・人民中国は「新型肺炎流行における、日本ネットの『動』と政治家の『静』」と題した、同誌副編集長・陳言(チェン・イエン)氏によるコラムを掲載した。以下はその概要。
新型コロナウイルスによる肺炎の感染状況への憂慮は中国のネット上も日本のネット上もあまり変わらない印象だが、日本政府の「静」なる動きには不可思議さを覚える。しかし実のところ、日本政府の「静」には「静」たる道理があるのだ。
日本では1月16日に初めての感染者が確認されたが、今月25日の日本政府による第13回新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料によれば、日本国内での感染者数は156人、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号691人、武漢からのチャーター機による帰国者8人の計855人となっており、感染確認者の大部分はクルーズ船によるものであることが分かる。
1億2000万人の国で156人の感染者にとどまっており、死者も80代の高齢患者1人という状況を鑑み、日本政府は関連方針の決定を慎重に行ったのだろう。25日の対策本部会議の内容を見ると、多くの人の同時感染を防ぐことが最重要課題と位置付けられており、一部の特定の人が多くの人を感染させた事例が確かに存在する一方で、多くの事例を見れば感染者自身が周囲の人にウイルスを感染させるケースは少ない、比較的小規模な範囲でのクラスター感染が起きているといった状況が確認されていた。
筆者は医療分野の専門家ではないが、メディア関係者の立場で見れば、厚生労働省が提出した会議資料は非常に専門的であり、日本の現状についてはっきりと説明されていた。この資料に基づき、日本政府は集団感染の防止という結論を出したのだ。スーパー・スプレッダーを見つけ出し、その感染源と経路を追跡するために明確な指示を出したのである。
これだけ十分な検討がなされた上で、日本の政治家は緊急事態宣言を出していないのだが、その「静」なる行動に対して、「動」を好むネット上では不満が高まっている。しかし、そのネット上で今拡散しているのは「ぬるま湯を飲めば肺炎を防げる」「熱いお風呂に入れば肺炎を防げる」といった内容ばかり。しかも、このような情報は基本的に、浅からぬ付き合いのある日本人たちから送られてくるのだ。それらの情報に、技術的、専門的な中身は全く含まれていない。
毎年強い台風が日本を襲うが、台風による被害は他国に比べると軽微なことが多い。台風などの自然災害に対処する能力は、太平洋沿岸のなかで随一なのである。そして、疾病の予防、コントロールでも同じく日本が先を行っている。情報を故意に隠蔽(いんぺい)することでウイルスにあらがう戦機を逸することもなければ、閣僚の無能さや判断ミスによって疾病の伝染範囲を拡大するようなことはないのだ。(翻訳・編集/川尻)
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