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軍事費をめぐる争いが日米韓同盟を傷つける―中国メディア

Record China    2020年1月26日(日) 7時0分

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21日、中国紙・人民日報海外版は、軍事費をめぐる争いが日米韓同盟を傷つけているとする記事を掲載した。資料写真。

2020年1月21日、中国紙・人民日報海外版は、軍事費をめぐる争いが日米韓同盟を傷つけているとする記事を掲載した。

記事はまず、韓国駐留米軍の駐留経費負担をめぐる米韓当局者の6回目の協議が14日と15日に行われたが、協議は決裂したと紹介。米国の求める負担増を韓国側は受け入れられなかったと伝えた。また、米国はこの夏に日本とも駐留経費分担の協議を行うかもしれないと説明。米国は日本に負担増を求める方針だと指摘し、「米国の求める負担増に、日米韓の軍事同盟は試練に直面している」と論じた。

その上で記事は、米韓の米軍駐留経費負担をめぐっては、トランプ大統領が韓国に対して50億ドル(約5500億円)の負担を求めているのに対し、韓国側は30%増の可能性を示しているだけで、両者の溝は深いと紹介。韓国側の交渉担当者は、米韓同盟のための韓国の貢献は合理的に評価されるべきとの見方を示しているが、ポンペオ国務長官とエスパー国防長官は、米ウォールストリート・ジャーナルに「韓国は同盟国で、扶養家族ではない」と題する文章を寄稿し、韓国は米軍駐留に関する直接的経費の3分の1を負担しているにすぎず、もっと貢献すべきと主張していると伝えた。

こうした状況について、遼寧大学国際関係学院の李家成(リー・ジアチョン)副教授は、「韓国にとって大きな試練」との見方を示したと記事は紹介。今年は米国が5倍の負担増を求めているが、これは韓国にとっては大きな財政負担となると指摘した。そして「米国は韓国の苦しみを気遣おうとはしていない」と分析。「米国は、高すぎる安全保障費用について日韓がもっと支払うべきだと考えているが、これはトランプ大統領の自国の利益を追求するスタイルと関係がある」と論じた。また、今年行われる大統領選とも関係があるとしている。

李副教授は、「韓国は駐留経費負担問題の先送り」を戦術とするだろうと予測。「5倍の負担増を受け入れれば、韓国は不利な状況に置かれ、ドミノ効果となって米国はさらなる負担増を求めてくる可能性が高いからだ」と論じた。

日本について李副教授は、最近中東への自衛隊派遣を決めたことは、トランプ大統領へのアピールであり、韓国が中東への派兵についてあいまいな態度を示しているのは一種のシグナルだと理解できると分析。しかし、トランプ大統領の性格からすると、この種のアピールやシグナルは意味をなさない可能性があるとしている。

最後に李副教授は、「日韓の弱点は明らかで、米国の援助を失えば両国の軍事力は大幅にそがれることになる。米国の手には『撤退』という切り札があり、交渉において強気に出ることができ、韓国は最終的に米国の圧力に屈服するだろう」との見方を示した。そして、米国のこうしたやり方は「同盟国間の傷を深くすることは免れず、日米韓の同盟関係はますますまとまりがなくなるだろう」と論じた。(翻訳・編集/山中)

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