日本の未成年利用制限のスマホゲームが中国に投入のなぜ―中国メディア

Record China    2013年9月5日(木) 21時23分

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5日、張(ジャン)さんの子どもは今年の夏休み、スマートフォン(多機能携帯電話)向けゲーム「ミリオンアーサー」に夢中になった。資料写真。

2013年9月5日、張(ジャン)さんの子どもは今年の夏休み、スマートフォン(多機能携帯電話)向けゲーム「ミリオンアーサー」に夢中になった。張さんは「日本では17歳以上でなければこのゲームを楽しむことはできないのに、中国では年齢制限がないとは」と憤る。中国経済網が伝えた。

▽好調なスマホゲーム、人気はミリオンアーサー

今年のA株市場ではスマホゲーム関連銘柄が好調で、多くの銘柄で株価が何倍にもふくれあがった。あるゲームが一月で1000万元(約1億6000万円)の収益を挙げたとか、一日で100万元(1600万円)の収益を挙げたとかいった話題が次々に聞こえてくる。最近のスマホゲーム市場で最も人気があるのは、日本のゲーム会社が開発し、中国の盛大遊戯有限公司が代理販売を引き受けるミリオンアーサーだ。盛大によると、8月下旬にミリオンアーサーの水着イベントを行い、ビキニスタイルのカードを集めて、全国から大勢のプレイヤーを呼び込んだ。イベント終了からほどない9月1日から14日にかけては、学校で新学期が始まるのに合わせた告白イベントが行わていれる。ミリオンアーサーの爆発的なファンの波が大きな収益をもたらし、公表された資料によると、8月初めの2週間だけで、3000万元(約4億9000万円)の収益を挙げたという。

ゲーム関連の資料によると、イベント開催期間には「教室」、「女子寮」、「自習室」、「図書館」など学校のいろいろな場所がゲームの背景になった。プレイヤーには「時間内に女神に告白しよう」といったメッセージが送られ、一連の「生徒カード」が登場するなどして、かわいらしく魅力的な女生徒のイメージが振りまかれた。

あるプレイヤーの話によると、ミリオンアーサーの課金方法はさまざまで、探索(行動コスト)や戦闘(戦闘コスト)だけで一日に数百元(数千円)使うこともザラだ。一番人気は美女のカードを集めることで、抽選1回につき約10元(約160円)かかる。プレイヤーが集まるサイトでは、レベルの高い好カードを引くにはどうしたらよいかという話題が最もよく語られるという。

▽未成年に根付きつつあるスマホゲーム

スマホゲームに集まるプレイヤーの多くは未成年だ。上海三友の楊培友(ヤン・ペイヨウ)董事長(会長)によると、スマホゲームの成人プレイヤーの場合、ゲームを保存してから入金する率は5%以下が普通だが、未成年の場合は10%以上だ。成人プレイヤーの入金額は1000元(約1万6000円)を下回り、1000元以上や1万元(約16万円)以上の高額入金者では未成年がほとんどを占めるという。

培董事長は未成年の割合が高い原因について、未成年は成人より自制力が弱いこと。国民の生活レベルが向上したため、子どもの小遣いがどんどん増えていること。未成年は同級生間の伝播力が強く、一人でプレーしていたのが複数でプレーするようになり、やがて学校中を巻き込むこともあることなどを挙げる。9月に新学期が始まると、スマホゲーム市場の収益が再び記録を更新したという。

▽日本のゲーム会社、年齢制限つきゲームを中国に投入

中国はゲーム消費大国だが、ゲーム制作大国ではない。世界の有名なゲーム開発メーカーは米国や日本などに集中している。それでは日米のようなゲーム大国は未成年者がゲームに夢中になるのを放任しているだろうか。

上海市の成人向け玩具会社の会長を務め、日本に長年滞在して日本の成人文化を研究してきた朱唯希 (ジュウ・ウェイシー)さんによると、日本は表面的にはエロスが解禁されており、エロスを楽しむ合法的な場所がたくさんあり、アダルトビデオ産業やアダルトゲーム産業が発達しているが、実際には非常に厳格かつ詳細な管理を受けており、未成年の心身の健全な発展が全面的に保護されている。どの年齢層を対象にした商品かが非常に明確に線引きされており、ゲームメーカー、チャンネルベンダー、端末メーカーまで、年齢制限に違反して商品を販売しようとすれば、法律の厳しい裁きを受けることになる。

日本では十数年前にコンピューターエンターテインメントレーティング機構(CERO)が発足し、ゲーム商品を厳格に区分し、ABCDZの5つの年齢区分を設けた。Aはすべての年齢が対象で、Bは12歳以上、Cは15歳以上、Dは17歳以上、Zは18歳以上が対象だ。パッケージにもゲーム本体にも、目立つ場所に年齢区分を明示するようにしている。

日本のゲームサイトの資料によると、拡散性ミリオンアーサーは日本でDレベルとされており、17歳以上でなければプレーできない。だが中国のミリオンアーサーを隅から隅まで探したが、日本ではDレベルで17歳以上しかプレーできないことを伝える表示は見つからなかった。

朱さんによると、一連の戦闘・殺戮をテーマとしたゲームがBレベルやCレベルなのに、青春時代の少女がテーマのミリオンアーサーがDレベルとされたことから、このゲームが低年齢層の心身に与える害を日本の当局が十分に予見していることがわかるという。

▽悪質なゲームは未成年の犯罪を誘発

ある日本文化企業で法律顧問を務める朱臣(ジュウ・チェン)弁護士によると、日本ではかねてよりゲームの影響を受けた未成年の犯罪が多発している。未成年がゲームの場面を気軽に真似したり、模倣したりして、一連の社会問題を引き起こしている。そこで日本の当局はアダルトゲームに強い警戒感を抱くようになった。中国ではゲームの年齢区分について長年議論が行われてきたが、いまだに結論が出ておらず、実生活の中では悪質なゲームが未成年の心身に与える悪影響が確かに存在するといえる。

上海漢路弁護士事務所のパートナーの沈麗(シェン・リー)弁護士によると、2013年に試行された「未成年者保護法」第34条には、未成年の心身の健康の権利に対する保護条項が明記され、いかなる機関や個人もわいせつ、暴力、殺戮、ホラー、ギャンブルといった未成年者を害する書籍、雑誌、音響映像製品、電子出版物、ネットワーク情報などを制作したり、未成年者に販売・貸出したり、その他の方法で伝えたりしてはならないとされる。あるスマホゲームが青少年の心身の健康にとって有害と確定されれば、しかるべき制裁を受けることになる。

沈弁護士の説明によると、米国のアップル社は未成年保護への対応措置がほぼ完璧で、ソフトウエア販売サイトのアップルストアでは、ソフトをダウンロードし料金を支払う段階で相応の身分提示を求めており、適切な年齢であることを確認できなければダウンロードができないようになっている。中国国内のメーカーはこうした点でまだ「空白状態」にある。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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