中国の「無形文化遺産」が世界最多なのはなぜか?―中国メディア

人民網日本語版    2019年11月10日(日) 8時50分

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国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に登録されている中国の「無形文化遺産」40件は、人類の生きた財産と呼ばれており、人類共通の文化的宝だ。写真は中国の書道。

3千年以上の歴史がある古琴、中国伝統医学の鍼灸術、篆刻技術、誰でも知っている二十四節気、中国の書道、中国珠算、伝統的な木造建築における中国伝統建築の職人技術、竜泉青磁の伝統焼成技術、地域的特色が鮮明なチベット医学におけるルム薬湯、媽祖の信仰と習慣、京劇、南音、西安鼓楽など、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に登録されている中国の「無形文化遺産」40件は、人類の生きた財産と呼ばれており、人類共通の文化的宝だ。

1954年7月、周恩来総理が率いる中国代表団は、新中国初のカラー映画で、伝統演劇・越劇をモチーフにした映画作品「梁山伯と祝英台」を携えて、有名なジュネーヴ会議に出席した。周総理が外国人記者を前にして、「招待状に、『カラーオペラ映画“中国のロミオとジュリエット”をお楽しみください』と書いておけば、絶対に失敗することはない」と語り、「梁山伯と祝英台」を「中国のロミオとジュリエット」と巧みに表現したことは、今でも逸話として語り継がれている。果たして、「梁山伯と祝英台」の上映会に外国の高官や記者は興味津々となり、200席以上あった会場は満席となった。

「無形文化遺産」は、中国の知恵を反映し、中国の価値がそこに込められ、中国の精神がそこに詰まっている。そして、世界の異なる文明との交流・対話において、それは広く好評を博し、伝えられている。

今年9月の時点で、ユネスコの「無形文化遺産リスト」に登録されている中国の「無形文化遺産」は、世界最多の40件に達している。うち、32件は「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」、7件は「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表」、1件は「ベスト・プラクティス」に登録されている。中国の無形文化遺産は、文明交流・相互参考を力強く推進している。

2001年、ユネスコはフランス・パリの本部で初の「人類の口承及び無形遺産に関する傑作の宣言」を発表し、世界各地の無形遺産19件が「傑作」と宣言された。そのうち、中国の昆曲は最も得票数が多い満場一致で「傑作」の宣言に至った。2年後の03年ユネスコ総会で、「無形文化遺産の保護に関する条約」が採択され、今では締約国が178カ国に達している。

「条約義務の履行」の面で、中国は「優等生」だと言える。中国は04年に締約国となって以降、「無形文化遺産」保護関連の法律体系や業務メカニズムを継続的に整備し、調査制度、国家+省(自治区)+市(地方級市)+県のリスト体系、代表的伝承人認定制度、文化遺産デーなどを含む、中国の国情や無形文化遺産の特徴にマッチした一連の保護制度を構築してきた。

05年6月、中国は第一回全国無形文化遺産調査を実施した。4年後の09年6月の「文化遺産デー」の前には、当時の文化部(省)が中国無形文化遺産資源は約87万件あると発表した。

世界無形文化遺産には、新疆のウイグルの大曲(ムカム)芸術、モンゴル民族の伝統的な「長い歌(オルティンドー)」、フイ族の口承民謡・花児など少数民族の文化芸術15件が登録され、中国の無形文化遺産の3分の1以上を占めており、人類に貴重な精神的財産を提供している。各民族が代々伝えてきた「無形文化遺産」は輝きを放っており、伝統文化の継承と昇華の象徴でもある。

また、ドキュメンタリー「我在故宮修文物」、「了不起的匠人」、「本草中国」などが人気を博し、「無形文化遺産」を目で見て、耳で聞き、それに触れ、味わうことができる。

18年2月12日、四川省を視察した習近平総書記に、「無形文化遺産」の伝承人・頼淑芳さんは手作業で作り上げた布鞋を贈った。習総書記は、「お金を払って1足買いたい」と笑顔で言った。頼さんが送った靴は、大きくは32工程、細かく分けると100もの小さな工程を経て作られる「唐昌布鞋」だった。

「無形文化遺産」は今ではトレンド性が高まり、さらには一種の「ライフスタイル」にさえなっている。旧暦5月の端午節(端午の節句)は中国が起源で、ドラゴンボートレースが開催され、ちまきを食べ、ヨモギの束を魔よけとして戸口に飾り、雄黄酒を飲み、詩人・屈原を祀るという習慣が、これまで2千年以上も受け継がれてきた、その日は、賑やかな雰囲気の中で、懐かしい気持ちも抱きながら過ごす祝祭日だ。

テクノロジーは中国を変え、テクノロジーによって「無形文化遺産」は新時代においても輝きを放っている。ビッグデータ、人工知能、モバイル通信、インターネット、高速鉄道、航空などのテクノロジー分野のコア技術の発展により、「無形文化遺産」が多種多様なスタイルでPRされるようになり、中華の優秀な伝統文化に生気と活力が注がれている。

中華の優秀な伝統文化の代表である「無形文化遺産」は、各種国際的重大イベントや会議においてその存在感を増している。そして、さまざまな「無形文化遺産」の展示やデモンストレーション、体験などのブースが、国際文化交流イベントの「目玉」として注目を集めている。

17年6月、海外に設置されている中国文化センター29カ所が「伝承とイノベーション--中国『無形文化遺産』文化ウィーク」を同時開催し、約160のイベントが行われた。古風で品位ある「鳥虫篆」作品、美しい音色の昆曲、巧みに操られる木製の人形を使った京劇などの中国の無形文化遺産に、世界各地の人々が驚嘆の声を上げた。

中華民族の文化の優位性や独特の魅力が詰まった無形文化遺産は、世界のどこで紹介されても好評を博している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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