ボツリヌス菌による粉ミルク汚染、「過度な心配はいらない」―中国准教授

Record China    2013年8月7日(水) 10時21分

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6日、ニュージーランド乳業最大手フォンテラ社の一部商品からボツリヌス菌が検出され、中国人消費者の注目が集まっている。写真は北京で記者会見を開いたフォンテラ社のテオ・スピアリングスCEO。

2013年8月6日、ニュージーランド乳業最大手フォンテラ社の一部商品からボツリヌス菌が検出され、中国人消費者の注目が集まっている。中国網が伝えた。

■ボツリヌス菌、人体への危害は?

中国農業大学食品科学・栄養工学学院の朱毅(ジュウ・イー)准教授を取材した。朱准教授は、「ボツリヌス菌そのものは人類に危害を加えないが、嫌気性環境においてボツリヌストキシンを生む可能性があり、これが致命的な危害をもたらす。ボツリヌストキシンは神経終末によるアセチルコリンの分泌を遮断し、筋肉をマヒさせる。ボツリヌストキシンは30年前に斜視の治療に用いられていたが、現在はプチ整形の若返りの神器となっている。ボツリヌストキシンはシワを取り、注射により足を細くし小顔にできることから、世界中で好評を博している」と説明した。

乳業専門家の宋亮(ソン・リャン)氏は記者の取材に応じた際に、「キャンディ、飲料などの業界でも、乳清タンパクが使用されている。乳清タンパクは分子量が低いため、乳幼児に吸収されやすく、費用も高額ではない。そのため多くの乳幼児用粉ミルクの主要原料になっており、原料の約6割を占めるほどだ」と語った。

 

■ボツリヌス菌、粉ミルク汚染の可能性も

中国国家質量監督検験検疫総局は、ニュージーランド産粉ミルクのボツリヌス菌汚染問題を重視しており、すでにニュージーランド在中国大使館と連絡を取り、輸入業者に対して汚染の可能性がある商品を直ちに回収するよう求め、各地の検査機関にニュージーランド産乳製品に対する検査と監督を強化するよう指示したと表明した。中国を含む世界各国の乳製品の品質検査には、ボツリヌス菌に関する項目が存在しない。言い換えるならば、フォンテラの問題が発生したロットの乳清タンパクが含まれる製品は、検査に合格し市場で販売されている可能性が高いということになる。

朱准教授は本件について、「今回ニュージーランドの乳清タンパク濃縮物がボツリヌス菌に汚染されたことで、ボツリヌス菌の病原性が再確認された。ボツリヌス菌は主に1歳未満の乳幼児にとって有害だ。乳幼児の腸の抵抗力はまだ完全に形成されておらず、正常腸内フローラが力をつけていない。ボツリヌス菌の菌株が乳幼児の腸内に入った場合、根を下ろし繁殖し、毒素を放出する可能性がある。毒素が血液内に入ると、子供の神経の痙攣やマヒといった中毒症状を引き起こす可能性があるが、現在の臨床例では非常に稀だ。1歳未満の乳幼児ははちみつの食用を避けるべきだ。ミツバチが花から花粉と蜜を集める際に、ボツリヌス菌に汚染された花粉と蜜を巣に持ち帰り、はちみつが汚染される可能性が高い。生きたボツリヌス菌を殺菌するためには100度・1分間の煮沸消毒でよいが、菌株は120度・10分間の煮沸消毒が必要になる。成人と青少年は、網から漏れたボツリヌス菌を恐れる必要はなく、ボツリヌストキシンに汚染された食品に注意すればよい。燻製食品を食用する際には完全に火を通さなければならず、密封発酵食品は腐敗後に口にしてはならない。本件において、乳幼児用粉ミルクが保護者によって心配されているが、飲料などの商品に対して過度に懸念する必要はない」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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