人民網日本語版 2019年9月17日(火) 13時0分
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平々凡々の新製品発表会の様子から、アップル社の「iPhone11」(アイフォーン11)は改めて否定的な評価を受けたが、アップルの集金力には陰りが見られなかった。写真は上海のアップルストア。
平々凡々の新製品発表会の様子から、アップル社の「iPhone11」(アイフォーン11)は改めて否定的な評価を受けたが、アップルの集金力には陰りが見られなかった。9月15日、京東と天猫(Tmall)が発表したデータによると、11シリーズの予約販売量は前シリーズの2~3倍に達し、一部のカラーはすでに完売した。忠実な「アップルファン」と値下げ戦略が11シリーズの逆転攻勢にゴーサインを出したのかもしれないが、予約データは短期的な消費者の動向を反映するに過ぎず、なんといっても5Gモデルがないことやイノベーションが不足していることは11シリーズの欠点であり、アップルはかつての輝きを取り戻すには高いカベを越えなければならない。北京商報が伝えた。
■予約が人気沸騰
発表会当日の市場予測に比べ、11シリーズの最新の成果は意外なほど好調だ。14日には2大販売プラットフォームの京東と天猫が予約状況を発表した。関連データによると、新シリーズは5Gモデルがないために人気が低迷するということはなく、前シリーズより消費者に歓迎されているという。
11シリーズは13日午後8時1分に予約がスタートし、20日に発売される。京東の公式データによると、京東プラットフォームで一番早い予約は予約開始からわずか1秒で成立した。1分後には、予約地点は全国341都市に広がった。「iPhone 11 Pro」(アイフォーン11プロ)シリーズはわずか5分で完売した。京東によると、11シリーズ全体の予約販売量は前年同期比480%増加した。最新の業界データでは、京東のiPhone販売量はアップルのオンラインルート販売量の50%以上を占めるという。
天猫のデータによると、11シリーズが予約開始から1分で取引額が1億元(約15億円)を突破し、このうち11プロのミッドナイトグリーンはあっという間に売り切れ、アップルの公式旗艦店では4回にわたり在庫が補充された。また、11の予約初日の予約販売量は前年同期の「iPhone XR」(アイフォーンテンアール)に比べて335%増加した。
予約量の多さから、アップルの公式サイト、天猫、京東の3大プラットフォームはいずれも一時つながりにくかった。 3大プラットフォームに登録してみたところ、11シリーズ各モデルは発送に2~3週間かかることがわかった。機種やカラーによっては大きな違いがあるという。
発表会で「ツッコミ」が入った新カラーも奪い合いになった。どのプラットフォームでも11プロと「iPhone 11 Pro Max」(アイフォーン11プロマックス)のミッドナイトグリーン、11のパープルが一番人気がある。現時点で、京東商城のアップル旗艦店では11プロのミッドナイトグリーンが品切れ状態だ。
■値下げ戦略
産業経済ウォッチャーの丁少将(ディン・シャオジアン)氏は、「アップルファンというベースがなお存在するので、アイフォーンは成長の可能性は小さいものの、さらに縮小するまでにはまだ時間がかかる。また、アップルの値下げ戦略もある程度役割を果たした」との見方を示した。
確かに、昨年の高価格に比べ、今年は基本モデルの11の価格設定はだいぶ理性的なものになった。699ドルから、人民元にすれば5499元(約8万2000円)からで、昨年のテンアールに比べて1000元(約1万5000円)ほど安くなった。実際、ここ2年間に中国市場でシェアが低下を続けたことから、アップルはたびたび値下げという「キラーコンテンツ」を打ち出してきた。
この前もアップルは値下げのうまみを味わったことがある。例えば今年1月には京東、天猫、蘇寧でアイフォーンの大幅値下げを行った。天猫のデータでは、1月13日に天猫で値下げが始まってから1月29日までの半月で、アイフォーンの売り上げは76%増加した。蘇寧のデータによると、1月11日の値下げ開始から1月30日までに売り上げは83%増加し、中でも「iPhone8」(アイフォーン8)とテンアールが最も人気の機種だった。
産業ウォッチャーの梁振鵬(リアン・ジェンポン)氏の見方では、「今年のアイフォーンは昨年よりあまり改良されていないが、トリプルカメラの搭載、バッテリーの持続時間の延長、処理速度の約20%向上により、機種変更を考えていたミドルクラス・ハイクラスユーザーが購入すると考えられる。多くの消費者(アップルファン)は基本的に1~2年に1度、新機種に変更する上、必ずしも必要でなくても試してみたいと考える」という。
■予想は低め
中国では予想外に予約が好調だが、アップル自身は11シリーズにそれほど高い予想を抱いていない。先に産業チェーンから伝わった情報によると、今年の11シリーズの第1期ストックは800万台で、昨年の「iPhone XS」(アイフォーンテンエス)シリーズより10%少ない。このうち11の売り上げ予想は楽観的で、ストックのうち60%を占める。次は11プロマックスで30%、11プロはわずか10%だ。
丁氏は、「予約販売は実際の販売量とは異なる。アイフォーンの中国市場での低迷は大きな流れで、アップルファンというベースを固める方法を見つけ、適宜値下げをするというのが、アップルの現在の主要戦略だ」と指摘した。梁氏も、「アップル携帯電話の中国市場における実際のシェアは年々低下し、華為(ファーウェイ)に多くを奪われた。今、11シリーズの成功を語るのはやはり時期尚早だ。予約販売データはこうしたトレンドを必ずしも正確に反映しているとはいえない」と指摘した。
現在、アップルはファーウェイに追い抜かれ、スマートフォンメーカーで世界3位に後退した。インターネットデータセンター(IDC)のデータでは、今年第2四半期の出荷量トップはサムスンで7550万台、市場シェアは22.7%だった。ファーウェイは5870万台で2位、シェアは17.6%。アップルは3380万台で3位、シェアは10.1%だった。
米ウォール街のアップルへの期待も低下している。11シリーズ発表後にアップルの株価は2日連続で上昇し、時価総額は再び1兆ドルの大台を突破した。しかし米ゴールドマン・サックスは、アップル株価は今後26%低下すると予想し、12カ月後の目標株価も187ドルから165ドルに下方修正し、評価を「ニュートラル」とした。「アップルTVプラスに引っぱられてハードウェアの利益率が低下するとみられる。13日の終値は1.94%値下がりした」という。
業界関係者によると、今年のアイフォーンに5Gモデルがないことが、やはり販売に影響する要因の一つだという。通信のベテラン専門家・馬継華(マー・ジーホア)氏は、「5Gネットワークに対応していない携帯電話は、中国の今の状況では、絶対に市場で大人気になることはないし、大きな成功を収めることもない。現在は市場全体に5G歓迎ムードが広がっており、待っているのは4Gではない」と指摘した。
丁氏は、「5Gモデルがないことの今年のアップルへの影響は限定的だが、来年上半期に5G対応の新製品がなければ、ファーウェイとサムスンにより多くのシェアを奪われることは確実であり、通年の販売量にも影響する」と述べた。アップルがサービス業務にますます重心を置くようになっても、アイフォーンは単なるハードウェア設備ではなく、アップルがその生態システム全体をつなぐ上での中核だ。よってアイフォーンの販売量が引き続きアップルの生態チェーン全体の発展状況を決定づける。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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