2013年9月12日、米政府筋によると、米オバマ政権はアジア太平洋重視を打ち出しながらも、シリアなど混迷する中東情勢に関与を強いられている。米国内でも産業再生や財政再建など山積する課題で手いっぱいの状態が続いている。こうした状況下、日本が中国や韓国との緊張を高めて懸案が増大するのは困るというのが本音である。

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オバマ政権は、安倍晋三首相はじめ閣僚の歴史認識めぐる一連の発言を戒め、周辺国の理解を得る努力を強く求めている。日米同盟を強化するためにも、まずは悪化した中韓との関係を改善することが不可欠だとの立場をとっており、日本への要求を強めている。

知日派の筆頭格でオバマ政権のブレーンであるカート・キャンベル前米国務次官補は、7月16日の日本記者クラブでの記者会見で、尖閣諸島をめぐる日中間の係争について、「危機的状況を回避することが先決」と強調。その上で、中国に対しては軍艦や公船による挑発をやめるよう働きかける一方、日本には中国と対話すべきだと求めていることを明言した。

さらに、キャンベル氏は「北朝鮮、中国など北東アジアをめぐる問題は微妙であり、緊密な日米間協議が必要だ。日本が中国、韓国と良好な関係を築くよう願っている。互いに冷静になることが重要だ」と強調している。（取材・編集/SK）