Record China 2019年8月14日(水) 10時20分
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中国中央電視台によると、四川省と雲南省の境を流れる金沙江に建設されているダム/水力発電所群のうち、主要な烏東徳、白鶴灘、渓洛渡、向家壩の水力発電所4カ所だけで、三峡ダムの発電能力の2倍に達するという。写真は建設中の烏東徳ダム。
2019年8月9日、中国中央電視台(中国中央テレビ)は四川省と雲南省の境を流れる金沙江に建設されているダム/水力発電所群を紹介した。主要な烏東徳、白鶴灘、渓洛渡、向家壩の水力発電所4カ所だけで、発電能力は三峡ダムの約2倍に達するという。
金沙江は青海省の崑崙山脈を水源とし、チベット自治区と四川省の境を南下していったん雲南省に入り、向きを北東方向に変えて雲南省と四川省の境を流れ、四川省に入り岷江と合流して長江になる。
記事は金沙江を中国最大の水力発電基地と表現。最終的には水力発電所20カ所以上が建設されるという。記事はうち、烏東徳ダムを「スーパーダム」と紹介。現在は建設中で、中国としては4カ所目、世界全体でも7カ所目の発電能力が「1000万キロワット・クラス」の水力発電所になるという。
烏東徳ダムの高さは最大で270メートルで底部の厚さは51メートル。高度が300メートル前後のダムとしては「異例の薄さ」という。そのため、極めて重要なのがコンクリートの「質」だ。まして、烏東徳ダムは「薄型ダム」と言っても、使用するコンクリートは280万立方メートルもある。それだけの量のコンクリートの質をすべて、一定以上に保たねばならないわけだ。
最大の問題は、コンクリートの主材料となるセメントは水と混ぜて固める際に発熱することだ。その際に温度が上昇しすぎると、その後に冷却した際との温度差でひび割れが発生する。このひび割れは、ダム建設の大きな課題という。
温度上昇を抑える「切り札」になったのが、三峡ダム建設の際に開発させた「解熱剤」という。コンクリートに添加することで発熱を抑える薬剤で、ダムを形成するコンクリート全体に使用されるのは、烏東徳ダムが初めてという。
それ以外に、烏東徳ダムでは冷却水パイプを設け、各所に取り付けた温度センサーを利用して、冷却水の量を調整するなど、コンクリートの温度管理の「スマート化」を実現したという。
烏東徳ダムは2020年7月に水を溜めはじめ、21年12月に発電を開始する予定だ。石炭火力発電所ならば、毎年石炭を1220万トン消費し、二酸化炭素を3050万トン、二酸化硫黄を10万4000トン排出して得られる電力を、「クリーンエネルギー」として獲得できるという。
記事によると、主要な烏東徳、白鶴灘、渓洛渡、向家壩の水力発電所4カ所だけで、発電量は4646万キロワットで、三峡ダムの2250万ワットの約2倍に達する。年間発電量は1900億キロワットで、21世紀を代表する世界最大規模の「エコ・エネルギー基地」になるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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