<中国気になる話>李克強首相の目玉政策「都市化」に逆風、党校機関紙が反対記事を掲載

Record China    2013年5月28日(火) 10時32分

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26日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、「李克強首相が発展改革委員会の都市化草案を否決した」との海外メディアのスクープが話題になっていると報じた。写真は武漢のマンション建設現場。

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2013年5月26日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、「李克強(リー・カーチアン)首相が発展改革委員会の都市化草案を否決した」との海外メディアのスクープが話題になっていると報じた。

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ロイターは23日、「中国都市化計画に遅延の可能性、地方政府の債務拡大懸念が浮上=関係筋」との記事を配信。中国国家発展改革委員会が作成した都市化推進政策の草案を李克強首相が否決したと報じた。

李首相の目玉政策である都市化には、今後10年間で40兆元(約640兆円)という膨大な資金が投じられると伝えられている。地方政府はこの政策を利用して大々的な建設投資を進めようとする動きを見せており、李首相ら中央政府の懸念を招いたという。

一方、中国国家発展改革委員会の関係者らは草案はなお作成中の段階であり、否決との報道は事実ではないと否定している。

都市化は都市と農村の二重戸籍の解消、都市で暮らす“出稼ぎ農民”の権利保障、内需拡大とサービス業中心の産業転換などを目的としたもので、中国にとっては長年の宿題でもある。しかし社会の根幹部分にメスを入れる大改革であること、多額の資金を必要とするため乱開発につながりかねないとの懸念も少なくない。

中国共産党中央党校の機関紙・学習時報は20日、「中国都市化発展のリスク」と題した記事を掲載。やみくもな都市化は都市と農村という差別を都市内部の差別に転換するだけ、これまでの都市化は耕地面積の減少は招いたが農民人口の減少にはつながっていないと指摘し、「もっとゆっくりした都市化を」と呼びかけた。李首相の目玉政策である都市化を、中央党校の機関紙が批判するという異例の展開となっている。

上述のスクープにしても、李首相が否決したかどうかはともかくとして、都市化の具体案をめぐり水面下で激しい駆け引きが行われていることは間違いないだろう。(筆者:高口康太)

■中国在住経験を持つ翻訳者・高口康太氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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