Record China 2019年6月5日(水) 19時10分
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中国メディア・新京報は3日、中国で若者が限定品のコラボTシャツを手に入れるためにユニクロに殺到した騒動を受けて、「狂ったように奪い合うのは良くないが、若者がユニクロのコラボTシャツを買いたがるロジックを読み解く必要がある」と題した記事を掲載した。
先日起こった騒動では、「ユニクロと米ニューヨークのグラフィックデザイナー・KAWS(カウズ)のコラボがこれで最後になる」と聞きつけた客が開店と同時にショッピングモール内のユニクロの店舗に殺到し、我先にとシャッターをくぐって入店するなどして商品を奪い合った。中にはマネキンが着ているTシャツをはぎ取ったり、商品をめぐって殴り合いを始めたりする客もいた。
これを受けて記事は、「少なからぬ人が、ユニクロでの奪い合いはお年寄りが(安売り目当てで)スーパーに殺到することと同じで、その違いはただ服か卵かだろうと考えているが、おそらくそれは大きな誤解だ。ユニクロには安価なTシャツがたくさんある中、今回の騒動を引き起こしたのはKAWSのコラボTシャツで、相対的に安い価格でトレンドの商品を買えるということこそが若者が熱狂した真の理由だった」と指摘。「もちろん彼らは金持ちではない。しかし、彼らの一番の原動力となったのは安さではなく、『コラボ商品』を追い求めることだった。その過程で、人々が理性を欠いて、他人に便乗したことが行為を単純で乱暴にさせたに過ぎない」と主張した。
そして、「つきつめると、彼らが買いたかったのは商品に含まれる文化的要素で、その意義だったのだ。ただ服を1着買いたかったというわけではない。お年寄りが卵を買うのは日常的な食事のためで、ここにその差異がある」と指摘した。
続けて、「中国の大都市の若者は先進国の人々と同様、基本的には最も基礎的なレベルの生存問題から脱し、ある種のアイデンティティーを求めるようになっている。コラボ商品を買い求める若者は、それによって『他者とは違う』という一種の感覚を手に入れることができる」と指摘。「少し皮肉なのは、あれほど多くの人がコラボ商品を奪い合うということは、すでに『独特』ではなくなってしまっていることだ」としたが、「それでも、さらに大規模な群衆の中では、購入した者たちは自らを際立たせることができる。服はもはや着るためのものではなく、群衆のなかで自分自身を表現するためのものになったのだ」と論じた。
記事はさらに、「ユニクロにとっては、もちろん正真正銘のビジネスだが、われわれはそれを文化の革新とも理解できる。実際にこのブランドは中国で成功しているが、物が良く値段が安いことはその原因の一側面に過ぎず、より深く見れば、ユニクロが一貫して提供しているのはその独特な美学なのだ」とした上で、「20年前とは異なり、商品における文化性や創造性の役割はますます重要になっている」と結んだ。(翻訳・編集/岩谷)
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