「中国式道路横断」を処罰化、先陣を切って違反した者に罰金―北京市

Record China    2013年4月11日(木) 13時3分

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9日、中国・北京市交通管理部門は、「中国式道路横断」の取り締まりを徹底するため、「先陣を切って渡った」通行人に対し罰金を科すこととした。写真は9日の北京市の横断歩道。この日は処罰化の初日だが、道路は依然違反する人で入り乱れていた。

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2013年4月9日、中国・北京市交通管理部門は、歩行者が赤信号を無視して集団で交差点を渡る「中国式道路横断」の取り締まりを徹底するため、「先陣を切って渡った」通行人に対し罰金を科すこととした。態度が横柄な者、違反を指摘されても改めようとしない者、人民警察の公務執行を妨害する者、さらには警官に暴行を加える者については、公安機関は法に依り厳重に処罰するという。新京報が伝えた。

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■赤信号を無視した歩行者は罰金160円

市交通管理局の陳竜波(チェン・ロンボー)副局長は、「歩行者と自転車利用者の違法行為は、長期にわたり深刻な交通問題となっている。今回の徹底取り締まりでは、歩行者の違反行為が重点改善項目に組み入れられることとなった」とコメントした。

交通管理部門はこれまで、違反行為を発見した際には、管理・粛清・教育本位で対応していたが、今回、法律・法規の執行に耳を貸さない市民に対し、処罰という手段が加えられた。北京の関連法規によると、信号を無視して道路を横断した歩行者に対して10元(約160円)の罰金が科されるが、実際に実行するとなると一定の困難が伴う。

陳副局長は例を挙げ、「ある交差点で皆が赤信号で待っているのに、一人の通行人が信号を無視して横断し始めると、それにつられて周りの歩行者もつい歩き出してしまう。このような違法行為は、必ず処罰の対象としなければならない」と語った。

また、陳副局長は「歩行者の違法行為に対する今回の処罰化は『キャンペーン的な取り締まり』ではなく、交通秩序を整備し常態化する必要がある。今後効果が現れても、決して手綱を緩めないことによって、ようやく交通の悪習慣を段階的に改善することができる」と指摘した。

■歩行者の道路横断環境を改善

今後、北京市内に150カ所ある重点交差点では、交通整理員が小旗や拡声器を利用して、歩行者の違法行為を制止する。また、交通管理部門は、交差点での監視率アップや交通ボランティアによる「交通ルールを守ろう」イベントの開催などを通じ、歩行者と自転車利用者の違法行為に対する教育活動や違反制止を強化、「中国式道路横断」現象を抑制していく構え。

市交通管理部門は、歩行者が道路を横断する環境をさらに改善することにも力を入れる。陳副局長は、「一部の道幅の広い交差点では、歩行者が道路を横断しにくいという状況にあることが、調査の結果明らかになった。交通管理部門は、そのような状況の改善に取り組む。道路の反対側まで1回の青信号で渡らなければならない場所は、2回に分けて横断できるように、道路の中間地点に安全ゾーンを設ける。大きな交差点には信号灯を増設し、信号に気づきやすいように配慮し、歩行者や自転車利用者の交差点で安全率を高めていく」とコメントした。

■「処罰化の継続」を求める声

全国政治協商会議の施傑(シー・ジエ)委員は、「法律執行者は長期的なスパンで処罰の厳格化を実施すべきだ。法律が定めた警戒ラインを決して踏み越えてはならないという実感を多くの市民に抱かせることで、だんだんと良い習慣を根付かせることができる」との見方を示した。施委員によると、法律執行部門は責任の所在を市民に一方的に押し付けることはできず、法律の具体的な徹底実施を肝に銘ずるべきだという。

また、施委員は、国家レベルでの道路交通法や各地の具体的な実施規則では、歩行者の違法行為に関する規定が明確に定められおり、問題の根は法律執行部門による執行プロセスそのものにあると指摘した。一般的な状況で、大勢の人の前でサンプリング検査のような方法で特定の人に対して法律の執行が行われた場合、当たらなかった人はラッキーだったなどアンフェアな考えがはびこってしまう。「処罰されるのは運が悪かっただけ」「あの人はおとがめなしなのに、なぜ私だけ罰せられるの?」などといった考え方がいつの間にか当たり前になると、健全な交通意識を確立する妨げとなる。

施委員は「法律執行部門は法律の枠組みの範囲内で厳格な法律執行を行うべきで、目的は罰金を科すことではなく、違法者に反省の気持ちを抱かせることにある。また、社会管理部門と協力し、自発的に交通管理ボランティアに参加する人を増やし、良好な社会の雰囲気造りに努めなければならない。皆がきちんと並んでいる列に、誰かが割り込む人がいれば、並んでいる人全員が厳しく非難するような状況のように」と主張した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/内山)

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