2019年5月7日、韓国・KBSは、韓国の食文化を侮辱したブラジル人夫婦が、現地の韓流ファンから批判を浴び、謝罪したと伝えた。

記事によると、このブラジル人夫婦はフォロワー数が約4万2000人に及ぶブラジルのインフルエンサー。夫婦は先月末、美容技術を学ぶために韓国を訪れ、自分たちのインスタグラムにその時の様子を掲載した。

その内容は、ソウルの人気観光地・明洞（ミョンドン）で売られている伝統飲料・シッケ（米から作る甘い発酵飲料）を「幼虫のジュース」「気持ち悪い」と表現したり、焼き肉店のメニューの前で「ここは犬肉を売っている」と伝え、キノコの絵を「犬の足」と紹介したり、また別の飲食店の前に置かれている釜を見て「通りかかった犬を捕まえて、この釜に入れる」と話したりするもの。記事は「いたずらや冗談という言葉で片付けるには深刻過ぎる」と指摘している。

動画はブラジル全域に急速に拡散し、現地の韓国人団体はこれを「外国人嫌悪」だとして正式に問題提起した。他人種・他民族国家のブラジルでは人種差別は厳しく罰せられる。拡散した動画にはブラジル人から「ブラジル国民として恥ずかしい。韓国に申し訳ない」「ブラジルに代わって心からおわびします」など謝罪のコメントが多く寄せられ、中には韓国語で謝罪する人もいた。さらに韓流ファンの若者を中心に「間違った情報は正すべきだ」「韓国の文化をきちんと理解しよう」という声も上がったという。

また記事は、問題の動画とそれに対する非難、謝罪のコメントが急速に拡散した理由の一つとして「人気グループ・BTS（防弾少年団）がブラジル公演を控えていた」ことを挙げている。BTSは25・26日、南米唯一となるサンパウロ公演を予定している。

その後、物議を醸したブラジル人夫婦はインスタグラムに4分ほどの動画を掲載し、「韓国に関する情報不足による自分たちの無知を許してほしい」と謝罪したという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「技術を学びに来たのに、感謝の心を持てないなんて」「韓国のことをよく知らなくて、という感じではなく、知っててわざとこんな動画を上げたように思える。思ったより大事になったので、ごまかしただけじゃないのか」など、問題の夫婦に対する批判が寄せられている。一方、そうした批判やブラジルを侮辱するようなコメントに対し「無知な人間に侮辱されたからといって、南米やブラジルを侮辱する無知な韓国人がいないことを祈る」「韓国の食文化を侮辱したブラジル人夫婦。このニュースを読んでブラジル人をひとまとめにして侮辱する韓国人。両者に違いはない」などのコメントも上がっている。

その他、「いいことだ。これを韓国文化をもっときちんと広めていく契機にできるといい」「すばらしい伝統文化と食文化があるのに、世界に伝えられていないという、韓国の根本的問題に端を発した事件だ」「よその国の伝統的な飲食を悪く言うのは、文化差別であり人種差別だ。夫婦に代わって謝罪してくれたブラジル国民の市民意識を理解し、認めよう」「そんな自浄能力が存在する国だとは知らなかった」「一部の政治家が国に恥をかかせているが、BTSのような若者たちが国威宣揚してくれて幸いだ」などの意見が寄せられている。（翻訳・編集/麻江）