ロシアと中国がロシア側から中国への大豆など農産品輸出についての協議を進めている。中国メディアの参考消息が4月30日付で、外電を引用しながら報じた。

中国は米国にとって大豆の重要な輸出先だったが、双方の取り引きは米中貿易摩擦の大きな影響を受けることになった。中国が米国産大豆に25％の追加関税を課した。2018年5月の時点では、中国はすでに米国産大豆の輸出を停止したとの報道もあった。一方で、同年8月には、ブラジルの多くの農業生産者が中国への輸出を見込んで、長年にわたり栽培しつづけてきたサトウキビを大豆に転作しているとの報道があった。

中国にとって大豆は、直接食べたり豆類加工品の原料になるだけでなく、豚の飼料として極めて重要だ。中国も増産に力を入れ始めたが国内だけで十分な生産量を確保するのは不可能で、国外に調達先を探さねばならない。一方で、生産が盛んな国にとっては米中貿易摩擦が、輸出量を急増させる大きなビジネスチャンスになった。

参考消息によると中国は19年、大豆を8400万トン輸入する必要があるとの見方がある。一方、ロシアから中国への大豆輸出は18年には81万7000トンだったが、ロシアのトルトネフ副首相は「24年には中国への輸出量を毎年200トンに増やせる潜在力がある」と述べたという。

ロシア政府農業省も、中国に対する豆類を含めた穀物、小麦粉、油脂、糖類の輸出を増やしたいとの考えを示したという。

また、トルトネフ副首相は4月下旬に北京で大豆や乳製品、肉類の対中輸出について中国側と協議したという。協議内容には物流関連のインフラ建設関連もあったという。また、ロシア当局からは、中国は牛乳と家禽（かきん）類の対中輸出を希望するロシア企業90社に許可を与えたとする報道もある。（翻訳・編集/如月隼人）