Record China 2019年4月17日(水) 7時20分
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中国紙・環球時報の16日付の記事によると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは14日、「米国は中国によるレアアース独占を見過ごしている」と指摘する文章を掲載した。
それに対して廈門大学中国エネルギー政策研究院の林伯強(リン・ボーチアン)研究院長は、「確かに中国はレアアースの領域において絶大な発言権を持っているが、レアアース資源やその価格をコントロールしようとは画策していない。レアアースは決して中国の政治的駆け引きの手段にはならない」と反論しているという。
環球時報は、「レアアースは現代の工業、特に先端科学領域のあらゆる分野において用いられている希少な金属で、昨年の段階で中国の埋蔵量は全世界の総埋蔵量の36.7%を占め、発掘量は全世界の70.6%に及んでいる」と説明。米国の金属製造会社アメリカン・エレメンツのCEOマイケル・シルヴァ氏がウォール・ストリート・ジャーナルに発表した文章は、「中国は以前からレアアースを経済戦略の要としている」と指摘するものだったと伝えた。同氏は「中国は低価格のレアアースを餌に米国や日本、ヨーロッパの企業の工場を中国に誘致している。もし中国が世界貿易機関(WTO)から脱退すれば、米国の製造業の再興を阻むことができ、今後の貿易競争において優位に立てる」と論じているという。
環球時報は、「このような論調は決して目新しいものではない」とし、過去にも米紙ナショナル・ディフェンス・マガジンやザ・ヒルがネット上で「レアアースは中国の『秘密兵器』だ」と報じたり、日本の読売新聞が「中国のレアアース輸出量減少により市場価格が高騰した」と報じたりしたことがあったとした。
林院長は、「中国がレアアースに関して発言権を持っていることは間違いないが、決してそれを牛耳ってなどいないことは、世界に流通しているレアアースの価格を見れば分かる」と指摘。「近年、レアアースは世界的に供給過剰の状態にあり、低価格の状態が続いている。加えて密採掘の影響も受けているが、中国はそれでもレアアースの価格を値上げしたりしていない」とした上で、「レアアースの採掘には多大なコストがかかり、米国は本国での採掘をすでに停止し中国からの輸入に頼っている。資源保護と環境保護の要求に基づき中国はレアアースの採掘に対する監督管理を強めており、このことが価格の上昇を引き起こしている可能性はあるが、これに政治的意図は一切含まれない」と強調している。(翻訳・編集/岩谷)
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