中国軍機、台湾接近は米艦の海峡通過への対抗措置、共産党系紙「ギャンブルすべきではない」と警告

Record China    2019年4月5日(金) 15時50分

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中国空軍機の台湾接近について、共産党系の環球時報は米海軍の艦艇が相次いで台湾海峡を通過したことへの対抗措置だったと指摘。米台に「ギャンブルすべきではない」と警告した。 資料写真。

中国空軍の戦闘機が3月末、台湾海峡の大陸と台湾本島の中間線を越えて台湾側に接近した。台湾側は戦闘機を緊急発進させた。中国機の飛行について、共産党系の環球時報は米海軍の艦艇が相次いで台湾海峡を通過したことへの対抗措置だったと指摘。米台に「ギャンブルすべきではない」と警告した。

米第7艦隊によると、3月24日、米海軍のイージス駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と沿岸警備隊の巡視船「バーソルフ」が台湾海峡を台湾の南西側海域から北方向に航行した。米艦の台湾海峡通過は今年になってから1月24日、2月25日に続いて3回目。第7艦隊は「国際法にのっとった定例の航行だ」とした上で、「これらの艦船の台湾海峡通過は自由で開かれたインド太平洋への米国の取り組みを示すものだ」と強調した。

その後、中国空軍の殲11戦闘機2機が3月31日、中間線を越えて、一時台湾本島側の空域に入り、10分間ほど飛び続けた。台湾側からもF16戦闘機が緊急発進をかけ、一時海峡は緊張に包まれた。台湾側は「中国の無謀で挑発的な行動だ」として、「地域の安全と安定に重大な影響を及ぼす」と非難した。

中間線について、環球時報(英語版)は「中国が認めたことはない」と前置きし、「人民解放軍機が越えたとしても、今後の動向は台湾や米国の反応次第」と言及。「ワシントンは今年、3回にわたり軍艦を海峡に派遣した。解放軍機の中間線越えは深刻なものではないが、米台が挑発的な行動を繰り返すなら、情勢は不確実になる」と指摘した。

さらに「事態は(米中台の)3者が含まれるため、複雑に見えるが、ゲームの主役は北京とワシントンだ」と説明。中国軍機の行動が米国を意識したものであることを明らかにした。

中国が台湾を武力統一する可能性に関して環球時報は「平和的な統一が基本政策」としながらも、「それは武力の放棄を意味するものではない」と明言。「中国は(独立志向の)民進党が統治する台湾を(混乱が続く中東の)レバノンのように追い込むさまざま手段を持っている」とも威嚇した。

その上で米国が台湾への武器売却を進めていることなどを念頭に「もしワシントンが地域の緊張をエスカレートさせるような誤ったシグナルを送り続ければ、それは台湾当局にとって悪夢になりかねない」と主張。「台湾海峡危機がいったんコントロールを失えば、中国は最後まで戦う用意がある」と述べ、米台に「すでにギャンブルになっている海峡危機を自制すべきだ」と求めた。

環球時報は中国共産党指導部の“本音”を代弁することで知られる。中国は「一つの中国」原則に基づき、米艦の台湾海峡の通過を中国主権に対する重大な侵害と見なす。妥協を迫られる米国との貿易戦争を抱える中でも、台湾問題など「核心的利益」では一切譲歩する意思がないことを改めて示した形だ。(編集/日向)

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