Record China 2019年3月8日(金) 8時30分
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7日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、全人代での李克強首相の政府活動報告の中から「中国製造2025」が消えた理由について分析する記事を掲載した。資料写真。
2019年3月7日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、全国人民代表大会(全人代)での李克強(リー・カーチアン)首相の政府活動報告の中から「中国製造2025」が消えた理由について分析する記事を掲載した。
5日の全人代で行われた李首相の演説の中で、一度も「中国製造2025」への言及がなかった。昨年までは3年連続で言及しており、政府活動報告の中でも中核を占めていた。
しかし、李首相は「中国製造2025」という言葉こそ使用しなかったものの、中国政府が先端製造業の発展を促進することを示し、新世代情報技術や高性能機器、バイオメディカル、新エネルギー自動車などの新興産業を育成する計画だと述べた。
記事は、「米中が1年にわたる貿易摩擦の解決に向けて合意に近づく中、政府主導の経済モデル変更を迫る米国の要求に中国が応じることはないと考えるトランプ政権内の懐疑的な見方が強まりそうだ」と分析。コーネル大学のエスワー・プラサド氏は、「トランプ政権の強硬派は、中国が構造的な政策調整をするとは信じていない。こうした声明が全人代で出されたということは、彼らの懸念がその通りであることを裏付けているようだ」と述べた。
また、「これまでのところ、中国の新政策によって政府の政策に頼っている企業や業界への補助金が著しく減少した様子は見られない」とも指摘。米国の戦略国際問題研究所のスコット・ケネディ氏は、「『中国製造2025』を打ち出すかなり前から、中国は産業政策を策定しており、この計画(中国製造2025)が無くなっても中国は長期にわたってこの産業政策を維持するだろう。新しいボトルに古いワインを入れるようなものだ」との見方を示した。
記事は、地方政府も、ビッグデータや電子商取引、人工知能など、ハイテク関連産業を新たな成長のけん引役に育てるための政策を出していると指摘。ある地方役人は、「米国人が好ましく思っていないので、『中国製造2025』についてはもう語ってはならないと言われている。だが、もちろん政府はこれからも重要産業への支援を続ける」と語ったという。(翻訳・編集/山中)
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