2013年2月4日、BBC中国語サイトは記事「中国ネットユーザー、“新時計アニキ”を発見」を掲載した。

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「時計アニキ」がネット流行語となったのは2012年9月のこと。8月末に陝西省延安市で寝台バスとタンクローリーの衝突事故が起きたが、陝西省安全生産監督管理局の楊達才（ヤン・ダーツァイ）局長（当時）が悲惨な現場の視察中に笑顔を見せたことが発端となった。

これに怒ったネットユーザーが「人肉捜索」（ネットユーザーの協力で個人情報を暴くこと）を敢行。楊局長が公務員の給料ではとても買えないような高級時計を複数持っていることが判明し、「時計アニキ」と名付けられた。騒ぎを受け、陝西省紀律委員会は楊局長を解任した。

楊局長の失敗を教訓にしたのだろうか。2月2日、花火や爆竹を積んだトラックが爆発し橋が一部崩落、10人もの死者を出した河南省・義昌大橋の事故現場を視察した中国国家安全生産総局の王徳学（ワン・ダーシュエ）副局長は異例の対応を見せた。

一般庶民もよく着ている安価なアーミーコートを着て現場に登場した王副局長は視察中、何度も涙をぬぐう姿が映し出された。これで「いい官僚だ」という話にならないのが複雑なところ。

「パフォーマンスだ」「俳優王とあだなされる温家宝首相の弟子だな」と中国ネットユーザーは辛辣に批判。さらに「人肉捜索」が実施され、これまでに公開の場に姿を見せた王副局長の写真を検証。10種類近い高級時計を持っていることを暴き出し、「新時計アニキ」との名をつけている。（翻訳・編集/KT）