Record China 2019年5月5日(日) 17時0分
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中国の高速鉄道建設に伴う膨大な債務をめぐり、中国メディアは「合理的かつコントロール可能な財務リスク内に収まっている」と伝えた。高速鉄道の債務については中国国内でも懸念する声が上がっている。写真は高速鉄道駅構内。
2019年5月3日、中国の高速鉄道建設に伴う膨大な債務をめぐり、中国メディアは「多くの負債は合理的かつコントロール可能な財務リスク内に収まっている」と伝えた。高速鉄道の債務については中国国内からも「巨大な負担をもたらし、経済を直撃することにもなりかねない」と懸念する声が上がっている。
時速250キロ以上で走る中国の高速鉄道網は、2018年末で2万9000キロを超えた。北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道、北京と広東間の京広高速鉄道などの大都市エリアを除いては、不採算路線が少なくないとされる。
高速鉄道を運営する国営中国鉄路総公司が抱える債務は、中国メディア「財新」に寄稿した北京交通大学の趙堅教授によると、18年9月時点で総額5兆2800億元(約86兆円)に上る。このため、中国国内の専門家から「発生確率が高く、なおかつ深刻な影響をもたらす可能性のある潜在リスク」を指す「灰色のサイ(グレー・リノ)」との指摘も出ている。
債務について中国網は「例えば乗車料金を見ると、中国のような成長中の国には長期的な物
価上昇の特徴があるため、上がることはあっても下がることはない」と前置き。「国内の高速鉄道乗車料金には補助金が含まれる。日本の新幹線で東京から大阪まで移動する場合の最低料金は人民元換算で1キロあたり約1.42元(約23円)で、京滬高速鉄道の2等座席の0.425元を1元も上回っている。乗車料金がやや上がれば、中国の高速鉄道の債務圧力が大幅に解消される」と説明した。
続いてに西南交通大学交通運輸・物流学院の左大傑教授の「中国鉄路総公司の債務の伸び率は近年、大幅に低下している」との見方を紹介。「同社の資産負債比率は65%前後で、過去10年間の資本投入の多くが高品質鉄道国有資産を形成している。そのため高速鉄道の債務リスクは全体的に安全で合理的で制御可能」とも強調した。
さらに「高速鉄道の戦略性・全局性・基礎性・公益性により、価値の外部効果が生まれている」と言及。「高速鉄道は地域間の発展の不均衡を解消する重要なツールになっており、国の名刺として世界に中国の総合的な実力をアピールしている。各方面を見ると、どちらも安定的に利益を創出し、損失を生まない」と主張した。
その上で「当然ながら一部のリスクが存在するが、全体的なシステマティックリスクは存在しない」と強調。「現在額面に出ている高速鉄道の債務は、鉄道体制・メカニズムの改革の深化といった措置により形成される厳格なリスクコントロール制度によって、完全に適切に対処できる。リスクを適切にコントロールすれば、中国は高速鉄道発展の新たな黄金の十年を再び迎えることが完全に可能だ」と自信をのぞかせた。(編集/日向)
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