朝鮮半島の60年間の平和、「衛星」によって打ち破られるのか―中国メディア

Record China    2012年12月5日(水) 18時6分

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1日、北朝鮮・中央通信は、同国が12月10〜22日の期間に純国産の実用衛星「光明星3号」を打ち上げると報じた。写真は北朝鮮のミサイル予想図。

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2012年12月1日、北朝鮮・中央通信は、同国が12月10〜22日の期間に純国産の実用衛星「光明星3号」を打ち上げると報じた。

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■「衛星」か「ミサイル」か

これに対し、日米韓の三国は「単なる“衛星”の打ち上げではない」と考えている。北朝鮮は平和目的の打ち上げとしているが、米韓の見解では、核弾頭を搭載して国外の標的を攻撃できる長距離ミサイル技術の実験だと考えている。

一方の日本メディアは、北朝鮮が再び長距離ミサイル発射実験を準備しているとの判断を早い段階から示した。韓国政府は直ちに反応し、衛星「アリラン3号」を通じて北朝鮮の動向を日に2回、監視している。先月26日、韓国メディアは韓国政府高官の話として「米韓両国の情報当局が衛星画像を詳しく分析した結果、北朝鮮がミサイル発射準備を開始したとの判断にいたった」と報じた。米国務省のヌランド報道官も、「北朝鮮は地域の平和を脅かす極めて挑発的な行為に出た」と警告した。

■過激な反応の目的

仏メディアは「西側の目からすると、北朝鮮のいわゆる打ち上げは発煙弾に過ぎない。ミサイルは最終的に衛星軌道運搬ロケットの名で上昇実験が行われる」と論評した。

今回、北朝鮮が予告した打ち上げ期間は北朝鮮の前指導者・金正日氏の1周忌(12月17日)だけでなく、日本の衆議院選挙(12月16日)と韓国の大統領選挙(12月19日)とも重なっている。

韓国は北朝鮮の動きを非常に懸念している。韓国・聯合ニュースは「ロケット打ち上げを利用して韓国大統領選に影響を与え、韓国社会を分裂させようとする北朝鮮の意図は非常に明白だ」と指摘。その前には「北朝鮮に対して非友好的な大統領が再び当選した場合、二国関係は2010年の延坪島砲撃事件や天安沈没事件のような緊張状態に再び陥る可能性があることを意味する」と報じた。

日本の自民・民主両党は北朝鮮の動きについて、すでに対策会議を開いた。野田佳彦首相は取材に対し、「前回のような情報公開不足にならないよう、打ち上げの詳細な情報を国民に公表する」との方針を表明した。

衆院選を控え、日本は今回の打ち上げに実に過激な反応を示している。「この件は衆院選で勝ち抜くためのカードとして、政客に利用される可能性がある」と外部は推測。メディアは「日本が北朝鮮の脅威を誇張するのは、自国の軍事力を発展させ、平和憲法の束縛を打破する隠れ蓑にするためだ」とも指摘している。

■選択:「平和」か「戦争」か

パネッタ米国防長官は「同地域(朝鮮半島を指す)において、われわれと戦闘との距離は1インチしかない」と語ったことがある。これは朝鮮半島が爆発へのカウントダウンに入っており、ここ60年間の平和が「衛星」1基で霧散することを意味しているのだろうか?

米国務省のヌランド報道官は今月1日、「弾道ミサイル技術を用いて衛星を打ち上げる北朝鮮のいかなる行動も、国連安保理決議第(1718号・1874号)に直接違反する」との声明を書面で出した。外部はこの声明について、北朝鮮に制裁を発動する方針を明らかにする狙いがあると見ている。だが、国連安保理が北朝鮮に対して、新たにより厳しい制裁を発動するのは困難との分析もある。北朝鮮は民生面で厳しい問題に直面し、国際社会の人道支援を必要としているからだ。

韓国・聯合ニュースは政府高官の話として、「制裁の範囲と内容はこれまでと異なるものになる」と報じた。4月の制裁拡大は期待した効果を上げなかったからだ。

■「平和」か「戦争」か、まだ最終結論は出ず

国連はすでに、北朝鮮人権問題担当特使を調停役に派遣した。これは良いニュースだ。恐ろしいのは、独紙ハンブルガー・アーベントブラットが論じたように、朝鮮半島関係の継続的悪化に伴い、東アジアの軍拡競争が招かれることだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)

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