「日本チャンピオン」はただの留学生!中国格闘技界で八百長が横行する裏事情―中国メディア

Record China    2018年12月13日(木) 22時0分

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中国で行われたキックボクシング世界戦での八百長疑惑が取りざたされる中、中国メディアの澎湃新聞は13日、「なぜ格闘技は『うそ』から逃れることができないのか」と題する記事を掲載した。資料写真。

中国で行われたキックボクシング世界戦での八百長疑惑が取りざたされる中、中国メディアの澎湃新聞は13日、「なぜ格闘技は『うそ』から逃れることができないのか」と題する記事を掲載。中国格闘技界を巡る裏事情に言及した。

問題になっているのは、8日に江蘇省蘇州市で行われたキックボクシングの世界王座戦。中国の封永松(フォン・ヨンソン)と対戦した「200戦150勝」のベトナム選手アクンは、開始2分余りでKO負けを喫した。封が放ったハイキックによるものだが、映像ではまったく当たっていなかったことが確認された。翌日、アクンは「相手選手が強すぎて、痛くて試合を放棄してしまった。ごめんなさい」と流ちょうな中国語で謝罪する動画を発表した。

記事はこれについて、「中国には気で離れたところにいる牛を吹き飛ばすという言葉があるが、実際に見た人はいない。しかし、この奇妙な現象がベトナム選手によって完ぺきに再現された」と皮肉交じりに伝えた。その上で、この試合が無効となり、アクンに対して永久追放処分が下されたことについて、「つまり主催者側は八百長があったことを認めたということ。これは中国格闘技史上、初めて公式に八百長が認められたケースになる」とした。

背景には、過去の試合での数々の八百長疑惑があるようだ。記事は「事実、中国格闘技界において八百長は長く付きまとっている問題である」と指摘する。「一龍(イーロン)」といったスターとして活躍する選手にも、専門家から八百長が指摘された過去があるという。

記事によると、中国では近年、スポーツ産業の発展と共に格闘技人気も高まってきた。一方で、主催者は利益重視でスポンサーや客を集めるため、無名選手を「チャンピオン」として出場させる操作が常態化。中でも最も人気を集められるのが、中国人が外国人をボコボコにして倒すという展開だという。

過去には、中国選手の相手として出場した「アフリカチャンピオン」や「日本チャンピオン」がいずれも留学生だったことが発覚したケースもあった。昨年、「総合格闘技の第一人者」とされる徐暁冬(シュー・シアオドン)氏が「(試合に出場しているのは)本当の日本人選手ではなく日本人留学生で、中にはモンゴル人もいる。中国人は日本人をやっつけると聞くと喜ぶ」などと暴露し、物議を醸した。

こうした「嘘」が頻発する原因について、専門家は「格闘技は中国で発展が遅かったため、観客に判断する能力がなく、多くの人はただ盛り上がっているだけ。格闘技に投資する人も素人なので、(主催者が)操作したい放題になっている。海外の有名選手を招待するにはコストが高過ぎるうえ、結果が思い通りになる保証もない。その点、留学生なら数千元(1元は約16円)渡せば喜んで試合に出てくれる」と説明。中でも「ファイトマネー」が最も高額になるのは日本人留学生だといい、記事はその理由を「言わなくてもわかるだろう」とした。

また、「観客にも責任の一端がある」とも指摘。前出の専門家は「観客はただ中国人が勝つところを見たいだけ。相手が誰であろうと、もし負けたら次は誰も見に来なくなる」とし、「格闘技は中国で火がつき始めたばかりで、みんながこれを大きくしようとしている。誰も大金をはたいてそれを潰すようなことはしたがらない」と語ったという。(翻訳・編集/北田

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