日本人が台湾に報復=原発事故地域の農産物を輸入しないためCPTPP加入に難色―中国メディア

Record China    2018年12月9日(日) 11時0分

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台湾や中国メディアは、台湾の福島原発事故関連地域からの農産物の輸入禁止を理由に、河野外相が台湾のCPTPP加入を認めない考えを示したと報じた。中国メディアは「日本人が報復」などの見出しで報じた。写真は中国の王毅外相(国務委員)と握手する河野外相。

台湾や中国メディアは7日から8日にかけて、河野太郎外相が7日、日本などが成立を進めている「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP、TPP11)への台湾加入について、台湾が事故を起こした福島第一原発周辺の福島県など5県からの農産品輸入の禁止を続ける方針を示していることを理由に「無理」と発言したと次々に報道した。

台湾では11月24日の統一地方選挙と同時に、さまざまな住民投票が実施された。福島と周囲の計5県の産である食品に対する輸入規制の継続の是非については、約779万人が「輸入規制の継続に賛成」、約223万人が「反対」と投票した。つまり台湾の民意は「輸入禁止の継続」を選択した。

記事によると、河野外相は「科学的根拠なしに食品の輸入を禁止するのはWTO(世界貿易機関)のルールに違反しており、WTOに提訴することもある」「台湾はCPTPPへの加盟を希望しているが、このようなWTOルールへの違反があれば、まことに残念ながら無理だ」と述べたという。

台湾メディアのETtodayによると、台湾では河野外相の発言に反発する声が高まった。民進党の重鎮であり、台北駐日経済文化代表処の駐日代表を務める謝長廷氏は、日本を刺激するような発言はすべきでないと表明。すると「日本円で給料をもらっているのだろう」「日本の国務大臣」と謝代表を批判する声が改めて発生したという。謝代表はこれまでもしばしば、日本産食品について健康被害がないと科学的に証明されれば輸入を認めるべきだと発言してきた。

台湾では蔡英文総統もCPTPP加盟の意向をしばしば示してきた。頼清徳行政院長(首相)も、CPTPP加盟の成功率を高めるための立法措置が必要と何度も発言してきた。

台湾政府報道官は河野外相の発言について「日本側の反応は理解できる。台湾にとっては厳しい試練だ」と述べた。台湾政府として日本側と積極的に意思疎通を行い、理解と支持を求める考えという。

中国メディアの環球網は同件を、「台湾は福島などの土地の食品を輸入せず、日本人は報復を決定」との見出しで報じた。(翻訳・編集/如月隼人

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