AI主導権めぐり世界の競争が激化、韓国はいまだ人材・技術不足

Record China    2018年12月5日(水) 7時50分

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3日、韓国・アジア経済は「韓国の人工知能(AI)、いまだに人材・技術に飢える」との見出しで、韓国AIの現状を報じた。資料写真。

2018年12月3日、韓国・アジア経済は「韓国の人工知能(AI)、いまだに人材・技術に飢える」との見出しで、韓国AIの現状を報じた。

ソウルでは2016年3月9日にGoogleの人口ソフトウェア・AlphaGo(アルファ碁)と世界最強の棋士イ・セドル九段との対局が行われた。当時は五番勝負でAlphaGoが3勝する結果となった。その「AlphaGoショック」から1000日、記事は「日常で体感できる技術はAIスピーカー程度にとどまっているが、機械学習のアルゴリズム技術が進化し、コンピューティングの性能やビックデータの処理環境が飛躍的に発展、専門家らが『AIがもたらす変化の波は目前に迫っている』と評価するまでになった』と伝えている。

マイクロソフトとIDCが今年共同発行した「デジタル・トランスフォーメーションのアジア太平洋地域経済効果」の報告書によると、AI技術により今後3~10年の間にアジア太平洋地域内の雇用の85%が変革する見込み。また雇用の50%以上が新しい職務に再配置されるか再教育課程を経るものと予測された。

グローバルコンサルティングファームのマッキンゼー&カンパニーも「AI技術は製造業はもとより、医療や教育、金融などのサービス業と融合して商用化が始まっており、毎年3兆5000億ドル~5兆1000億ドル規模の経済的価値を創出するだろう」と見込んでいる。市場調査会社のCBインサイツも「AIを活用した主要産業の変化傾向は16年を起点に急成長し、金融および消費、ヘルスケア、交通、保安の順に活用が増えている」と明らかにしている。なおAlphaGoは昨年、棋譜に頼らず囲碁の規則だけで自ら学習する「AlphaGo Zero」に進化したという。

このようにAIが第4次産業革命の核心技術と言われる中、グローバル市場では技術と専門人材を確保するための「戦争」が起こっているという。記事は特に「米中がAIの主導権を握るための一騎打ちを繰り広げている」として、中国特許保護協会が最近発表した「人工知能技術特許深層分析報告書」を紹介している。中国は7万7876件で、米国(6万7276件)と日本(4万4755件)を追い抜き特許件数世界1位を記録。ただし「特許の品質と価値の面では、日米と中国の格差は大きい」とも指摘している。マッキンゼー&カンパニーが「米国のAI分野の従事者は85万人と中国の17倍に達する」と指摘しているように、人材も米国に及んでいない。そのため中国はAI技術強国を目指し人材確保に熱を上げているという。

また、記事は「中国だけではなく韓国もAI人材不足に苦しんでいる」と指摘。今年2月、カナダの研究機関ELEMENT AIが調査した結果、韓国のAI人材は170人で分析対象15カ国中14位。AI世界最強国の米国(1万2027人)はもちろん、韓国と経済規模が似ている英国(2130人)、スペイン(633人)などに比べてもかなり遅れをとっていた。韓国のソフトウェア政策研究所は、22年までに国内AI関連開発人材が9986人不足すると見込んでおり、修士・博士級の人材は7276人不足すると見込んでいるという。

これを受け、韓国企業の間では関連学会や研究所とあらかじめ協約を交わし、人材を先取りしようとする動きが続いているという。今年7月に通信大手のSKテレコムはスウェーデンの機械学習の国際会議(ICML)でAI専門家を採用した。サムスン電子やインターネット大手のネイバーも、人材を確保するための対策を講じているという。

これについて、韓国のネット上では「コンピュータ関連の人材は韓国に残らない。だって経歴があって英語ができれば海外で残業せずに週35~40時間の勤務で年30日ほどの休暇を取れて、高い年俸ももらえるから。ましてやAI専門家なら、なおさら韓国にいる必要がない」「AI分野だけじゃない。多くの分野で科学者や技術者は労働搾取されてる」「人材と技術は足りないけど、それだけの対価を支払いたくはないんでしょ?」「最近(韓国では)出世の道は会社の労組にある。厳しいIT技術者として一生を送る優秀な人などいない」「一生懸命研究して開発した技術を、AIのことをろくに知りもしない上司が奪ってるんだから当然のこと」など、韓国の厳しい現状を訴える声が相次いでいる。(翻訳・編集/松村)

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