Record China 2018年11月9日(金) 15時20分
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5日、中国社会科学報は、日本のユネスコ世界遺産登録申請の取り組みから学び取れる経験と啓示について論じた文章を掲載した。写真は富士山。
2018年11月5日、中国社会科学報は、日本のユネスコ世界遺産登録申請の取り組みから学び取れる経験とヒントについて論じた文章を掲載した。以下はその概要。
今年6月30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコ世界文化遺産入りを果たした。これまでに日本は22点の世界遺産申請に成功している。遺産申請における考え方、手法には一定の参考価値がある。
ユネスコの規定により、各国は毎年一つしか世界遺産(自然遺産と文化遺産)の申請を行うことができない。この一枠をめぐって、日本では国内で激しい競争が繰り広げられ、日本政府も何回にも及ぶ審議や選抜を行う。まさにこの厳しい審査や選定作業、専門家のしっかりとした考察があるからこそ、日本は近年、遺産登録に成功し続けているのである。
実際、日本もかつて遺産申請をめぐって挫折を経験してきた。そこから、地勢や時勢を考えて速やかに戦略を改めて成功をつかんできた。富士山がその典型的な例で、2003年に世界自然遺産として申請した際には「地質上の独自性がない」こと、そしてごみ問題により却下された。そこで日本は10年の歳月をかけてごみ問題を解決するとともに、富士山に「信仰の対象」「芸術の源泉」という二つの文化的な要素を持たせ、日本のみならず世界にも影響を与える価値を持つことをアピールする戦略に出た。そして、たゆみない努力の結果、13年6月に世界文化遺産として登録された。
日本の世界遺産の多くは、もともとの知名度がそれほど高くなかった。世界遺産候補を選ぶ上で、自国内での影響力や自国民による位置付けだけを考えるのではなく、世界的に象徴性、独自性を持つかどうかを主たる判断基準にすべきなのである。
また、日本がこの6年連続して世界遺産入りに成功したのがいずれも世界文化遺産であることにも注目だ。もはや、よほど重大で新しい地理的、地質的発見がない限り、世界自然遺産登録は難しい。一方で、世界各地で大量に出土する文化財や建築の遺跡は、人々の固定の認識を絶えず塗り替えている。今後、世界文化遺産が遺産登録事業の主な方向性、目標になるものと思われる。(翻訳・編集/川尻)
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