<尖閣問題>日米と中国との間で板挟みの台湾、馬総統のとるべき道は?―香港メディア

Record China    2012年8月21日(火) 12時46分

拡大

20日、東シナ海情勢の緊張が高まる中、台湾は最も身動きの取りにくい立場に置かれている。馬英九政権の曖昧な態度は、日米と中国との間で板挟みになる台湾の苦境を如実に示している。写真は19日、杭州での反日デモ。

(1 / 4 枚)

2012年8月20日、東シナ海情勢の緊張が高まる中、台湾は最も身動きの取りにくい立場に置かれている。馬英九(マー・インジウ)政権の曖昧な態度は、日米と中国との間で板挟みになる台湾の苦境を如実に示している。香港の中国評論新聞が伝えた。

その他の写真

釣魚島尖閣諸島)を巡る日中の対立が深まる中、馬政権が繰り返す「東シナ海平和イニシアチブ」に目立った効果は得られず、むしろ台湾内で論争を巻き起こしている。台湾外交部の董国猷(ドン・グオヨウ)政務次長は16日、日本の対台湾窓口、交流協会の樽井澄夫台北事務所代表(大使相当)と会談し、香港の活動家による島への上陸については「政府は関与していない」と釈明。水と食料を提供したことも「人道的配慮」だと説明している。

釣魚島(尖閣諸島)を巡る馬政権の対応については、唯一の主権者であるとは言えないほど台湾の存在感は小さくなり、主権の奪われるのを手をこまねいて見ている。馬総統による「争議の棚上げ、資源の共同開発」は、民進党の主張と完全に一致しており、日本が実質的に島を占領している状況で、共同開発を呼びかけることに意味はない。

また、中華民国憲法、あるいは馬総統の訴える「一国二区」では、中台は「一つの中国」に属している。中国は「釣魚島は台湾の付属島嶼である」としており、中国による領有権の主張は、台湾が中国の一部であることを前提としている。香港での釣魚島への注目度の高まりは、中国としてのアイデンティティーの高まりを反映しており、今回の上陸行動も、「トラを退治し、盗人を捕まえてくれるのは実の兄弟だけ(体を張って危険なことをしてくれるのは身内だけである)」ということわざの通りである。

民進党は「二国論」により中台共同での抗議行動に反対しているが、馬総統も釣魚島については民進党と同じ路線を歩んでおり、その発言と行動は矛盾している。馬政権は日本の代表に対し、中台が連携して抗議行動を行うことはないと釈明しており、日本側には完全にその意図を見透かされている。台湾の抗議活動は「張り子の虎」にも及ばない。

馬政権が抗議船の出航を阻止するのは、日本との衝突ではなく、衝突の発生後に中国が救助に乗り出すことでメンツを失い、日米に中台が手を組んでいるという印象を与えることを恐れているからである。

釣魚島については民進党が日米寄りの立場を取っているのに対し、馬政権は中国と日米の間で中立を保とうとしていることが伺える。だが、日本は「東シナ海平和イニシアチブ」を無視し、台湾側も弱腰な態度を取り続けている。今回の事件をきっかけに、日本の右翼勢力は政府に強硬な措置をとるよう働きかけるだろう。そうなれば中国側もこれに応じ、米国の仲裁があったとしても事態の緊迫化は避けられない。台湾はどちらにつくこともできず、双方にいい顔をしようとして、蚊帳の外に置かれてしまうことになる。

日本の背後には米国が控えており、米国とのFTA締結、TPP加入に意欲を見せている台湾は、東シナ海、南シナ海を巡る領土問題においても慎重な態度を取らざるをえない。中台統一問題のように争いを棚上げし、米国の保護を受けつつ中国との関係も発展させたいというのが馬政権の本音だが、このような路線にもいつか限界が訪れるだろう。(翻訳・編集/岡本悠馬)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携