2012年7月28日、環球時報によると、ロンドン五輪のエジプト選手団にスポーツ用品大手ナイキの中国製の偽ブランド製品が支給されていたことについて、エジプト紙・アルアハラムは27日、国民はこの背景にはエジプト政府の腐敗が絡んでいるのではないかとみていると伝えた。

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今回の事件は、エジプトのシンクロナイズドスイミング代表選手がネット上で「ナイキの大きなロゴが入ったバッグに、アディダスのファスナーが付いている」と暴露したのが発端。

各地で大きく報道された後、エジプトオリンピック委員会のアリ委員長は英紙デイリー・テレグラフのインタビューに対し、「正規品は値段が高く、エジプトの苦しい財政事情では手が出せなかった。品質は十分に良い。エジプトで販売されているナイキ製品はすべて中国製だ」と弁明。同委員会のスポークスマンによると、今年6月に中国のスポーツ用品代理店から5割引での購入を提示され、購入後に偽物であることが判明したという。

偽物の支給は、エジプト選手たちの不満だけでなく、ナイキの抗議も引き起こした。米ニュースサイトのハフィントン・ポストによると、ナイキはエジプトオリンピック委員会に対し「事件に十分に注目している」との抗議を表明。アリ委員長は「ナイキが損害を被ったというのであれば、われわれではなく、中国の代理店を訴えるべきだ」と反論した。

しかしその後、事態は解決に向かい、ナイキがエジプト選手団に正規品を無償提供することになった。エジプト選手団の団長は「とてもうれしい知らせだ」とし、ナイキに感謝を示した。

一方、地元エジプトのアルアハラム紙は、中国の代理店よりも、選手団に十分な予算を提供せず、事件発覚後も責任を他に押し付けた政府関係者を責めるべきだと指摘。エジプトのあるネットユーザーは「エジプトの財政がいくら苦しいと言っても、オリンピック選手団の正規用品購入程度の資金が出せないはずがない」「革命後に新たな大統領と首相が就任したが、前政権から続く腐敗の気風は依然としてあらゆるところにはびこっている」とつぶやくなど、国民の多くが今回の事件は政府高官の腐敗絡みだろうと認識しているという。（翻訳・編集/HA）